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美術展

2018年1月17日 (水)

静岡近代美術館

 2016年夏、静岡市にオープンした個人美術館です。1月16日、午前中に静岡市美を訪ねた後、内壕と外濠の間を抜けて歩いて向かいました。2階建ての美術館はNHK静岡放送局の裏の住宅地にありました。

 1階では文化勲章受章者17人の作品展でした。大半が小品ですが、第1回から最近までの著名な受章画家の作品がずらりと並んでいてみごとです。17人+1の1は熊谷守一です。文化勲章を辞退したのでした。

 2階は常設展で、国内外の19世紀以降の画家の作品が展示されています。

 全館で出品されている主な画家は次のとおりです。
浅井忠・黒田清輝・藤島武二・和田英作・熊谷守一・萬鐵五郎・安井曾太郎・梅原龍三郎・岸田劉生・曾宮一念・林武・佐伯祐三・荻須高徳・向井潤吉・コロー・ユトリロ・ローランサン・フジタ・シャガールなど。
コレクションにはピカソ・ミロなどもあります。

 この美術館を開設したのは静岡市内で知らない人はいない大村洋品店の経営者です。コレクションは300点を超えるとのこと。みごとな内容です。一見の価値があります。

 出品目録はありません。123点収録の図録(3,000円)があります。

 この日、先客がひと組2人、あとは私たち2人だけでした。

 月曜休館。入館料1,200円です。

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〈富士山図〉梅原龍三郎     〈猫〉熊谷守一

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   〈風景〉ルノワール   〈モンマルトルのムーラン〉ユトリロ

2018年1月16日 (火)

「ターナーからモネへ」:静岡市美術館

 イギリス西南部のウェールズ国立美術館所蔵の所蔵する約70点の作品によって、19世紀初頭から20世紀初頭に至る約100年のイギリスとフランスの美術の流れを紹介する美術展です。
 全体は5部で構成されています。

1 ロマン主義
  ターナーやコンスタブルに代表される時代です。ターナーはイギリス最大の風景画家でロマン主義の代表的な画家です。空気感を画面に表現し、後の印象派に影響を与えています。 

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     〈マーゲートの桟橋〉 ターナー 1835年頃

 この第1部ではターナーの1840年前後の作品6点のほか、ターナーに先立つコンスタブル、1870年前後のミレーやコローの作品もあります。

2 リアリズム
 19世紀半ばになると、それまでほとんど描かれることのなかった農民や労働者など無名の人を描くなど、社会の真の姿を描く流れが生まれました。ミレー、ドーミエ、クールベなどです。

3 パリのサロンとロンドンのロイヤル・アカデミー
 フランスでは1837年以後、サロンが展覧会の開催などに大きな役割を果たしました。イギリスではサロンに倣ってアカデミーが設立されました。やがてアカデミーに対する反発からラファエル前派の運動が展開されました。ここではロセッティやホイッスラーなどの作品があります。

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      〈麗しのロザムンド〉 ロセッティ 1861年

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〈ノクターンー青と金:サン・マルコ大聖堂〉 ホイッスラー 1880年

4 印象派
 モネやルノワールたちは戸外での制作で光や空気のうつろう様を表現しました。ここではモネ3点のほか、ピサロ、シスレーなどの作品もあります。

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      〈プール・オブ・ロンドン〉 モネ 1871年

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        〈会話〉 ルノワール 1912年

5 ポスト印象派とその後
 世紀末から20世紀初冬にかけて絵画の変革が進みます。やがてフォーヴィズムなどの前衛的な表現も生まれます。セザンヌ、ロートレック、シニャック、ヴラマンクなど・・・。

 この展覧会では、「ターナーからモネへ」のタイトルのように、約1世紀にわたる英仏の絵画の流れをまとめて紹介しています。コンパクトで要領のいい企画ですが、残念ながら目玉になる作品がありません。ターナーの6点はいずれも小品で、他の画家の作品も大半が小品です。やや物足りない展覧会でした。

 会期は28日(日)までです。

2017年12月28日 (木)

今年の美術展から

 年術館へ通う回数が年々少なくなっています。今年は特に少なくなりました。東京へは年に3回だけ、愛知県の美術館へは一度も行きませんでした。少ない中で印象に残っている美術展は次の4つです。

1 国宝展 10月・京都国立博物館
 数々の国宝をまとめて観ることができる貴重な機会でした。
特に雪舟の国宝6点を一室で観ることができる展示は感動ものでした。考古資料から近代絵画まで数多くの出品作品をため息をつきながら観ました。

2 北斎展 10月・あべのハルカス美術館
 欧米でも高く評価され、多くの画家に影響を与えてきた北斎の代表作など約200点にのぼる出品作品から北斎の画業の全体に迫ることのできるすばらしい展覧会でした。

3 運慶展 11月・東京国立博物館
 日本を代表する仏師運慶の優れた作品をこれほど多数一度に観ることができる機会はこれからもないのではないかと思われます。展示方法にすばらしい工夫がなされており、立体的に、あるいは360度観ることができました。

4 ナビ派展 4月・三菱1号館美術館
 ナビ派は19世紀末にゴーガンの影響を受けたボナールやドニ、ヴァランドンなどが印象派や後期印象派などとは異なる新しい絵画を創造したもので、最近注目度が高くなっています。この展覧会はオルセー美術館のコレクションから約80点が出品され、ナビ派の本格的な展覧会として注目されました。見応えがありました。

+1 梅原幸雄展 平野美術館
 年明けて3月に東京芸大を退官する梅原の代表作などを観ることができました。院展の主要なメンバーであり、現代日本画を代表する画家の作品を浜松で見ることができて貴重でした。

2017年12月16日 (土)

「梅原幸雄展 画業40年の軌跡」;平野美術館

 梅原幸雄は現代日本画を代表する画家の一人です。東京芸大で平山郁夫に師事。在学中に再興院展に入選。その後も院展で活躍し、第78回院展で日本美術院賞、86回展で文部科学大臣賞、88回展で総理大臣賞を受賞。来年3月芸大教授退官。
 今回の展覧会には23点の日本画と3点の素描が出品されています。
 23点の中には総理大臣賞を受賞した〈白銀の流れ〉、文部科学大臣賞の〈花筏〉、日本美術院賞の〈線香花火〉などの大作が出品されていて迫力があります。いずれの作品もみごとな構成と精緻な描写、美しい色彩で現代日本画の到達点と言ってもいいすばらしい作品です。浜松でこのような作品を観ることができてうれしく思います。
 東京芸大では梅原の退官を記念する展覧会が1月に開かれます(無料)。

 私は14日に観ました。会期は明日17日までです。時間がありましたらどうぞお出かけください。

2017年11月23日 (木)

「運慶展」:東京国立博物館

 26日の会期末まで5日となった22日にようやく観ることができました。正午から目白で会合があるので時間を気にしながらの鑑賞でした。

 連日大混雑ということなので、開館前に並ぶことにしました。博物館の門前に着いたのはちょうど9時でした。すでに300人ほどの行列。開館したのは9時32分で私は9時38分に入館しました。入り口に近い第1展示室はかなりの混雑でしたが、2・3・4室はゆっくりと観ることができました。

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上野駅から博物館への    9時の入場待ちの列
人の流れ             右が博物館

 今回の展覧会は国立博物館が相当なエネルギーと時間をかけて開催した特別展です。「興福寺中金堂再建記念特別展」ですが、興福寺所蔵の作品をはじめ、全国各地の寺院などから37点74体が出品されています。
 運慶の作品は12点22体です。現存する運慶の作品は31体とされているので全体の7割を一度に観ることができます。4点12体が国宝、その他は重要文化財です。

運慶の処女作:26歳の頃

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   大日如来坐像 1176年 国宝 奈良・円成寺

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  毘沙門天立像 国宝 1186年 静岡・願成就院

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八大王子立像のうち恵光童子 国宝 1197年頃 金剛峯寺

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     無著菩薩立像     世親菩薩立像
       いずれも国宝 1212年 興福寺

 運慶の類い希な造形力とみごとな写実性がどの作品にも表れています。無著と世親の菩薩立像2体は人物像の代表と称される傑作でそれぞれの人間性が深く刻まれており、感動しました。

 日本を代表する仏師運慶の青年時代から晩年に至るまでの作品を全国の寺院や博物館などを訪ねなくても一度に観ることができるまたとない機会でした。
 展示の方法や照明も工夫されていて、360度どこからでも観ることができる配置など画期的でした。

 運慶の父康慶や子湛慶の作品を含め、47点中国宝12点、重文34点。1点を除いて全て文化財指定を受けています。

 私が観た22日に入館者が50万人に達しました。1日1万人です。今日も昼前後は60分待ちとか。26日の最終日まで混雑は続くでしょう。

 駆け足で観て回ったのですが、深く印象に残るすばらしい展覧会でした。

2017年10月25日 (水)

浜松市美術館コレクション展

 浜松市政令指定都市移行10周年記念企画展です。浜松市美術館が今年8月中旬から来年3月末まで改修工事のため休館していることから、約7,000点のコレクションの中から「日本の近現代美術の絵画作品」に絞って120点余を前期・後期の2期に分けて展示しています。

 今日10月25日から後期が始まっています。出品されている主な作家のリストです。

 川合玉堂・結城素明・中村岳陵・金島桂華・福田平八郎・山口華陽・橋本関雪・伊東深水・松林桂月、浅井忠・藤島武二・南薫造・曾宮一念・和田英作・三岸節子・桂ユキ、など。錚々たる顔ぶれです。
 秋野不矩の作品は2階を中心に約40点です。

 浜松市美術館のコレクションの一つであるガラス絵は6点です。これらのコレクション展から日本の近現代の絵画作品の一端を知ることができます。会期は11月26日まで。

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            川合玉堂 〈富士〉 

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         南薫造のガラス絵 〈戎克〉

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    松林桂月〈雲〉

2017年10月21日 (土)

国宝第1号と最新の国宝

 先日観てきた国宝展に、国宝第1号と最新の国宝がありました。

国宝第1号

普賢菩薩(東京国立博物館):平安時代

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絵画の部の整理番号1番ということで、国宝第1号とされています。

今年指定された国宝

大日如来坐像(金剛寺):平安時代

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 重要文化財から国宝に格上げされました。大きな像が金色に輝いていました。
 今年国宝に指定されたのは7点です。

2017年10月18日 (水)

「国宝展」:京都国立博物館

 美術館めぐりの旅2日目は京都国立博物館の「国宝展」から始まりました。建造物などを除いた日本の国宝は885点。そのうちの209点がこの展覧会に出品されています。実に全体の4分の1にあたります。
 この秋もっとも注目される展覧会で人気抜群です。会期が始まって12日目の日曜日とあって大混雑が予想されました。早めに列に並ぶことにして8時前にホテル発、タクシーで京博へ。8時10分頃に着いて列に並びました。この時点で130番目。開館の9時30分まで1時間20分、小雨の中、傘をさしてひたすら待ちました。

 入館してすぐに2階へ。ここには雪舟の国宝6点がすべて展示されているのです。一人で6点の国宝指定は雪舟だけです。

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      雪舟〈慧可断臂図〉 1496年 
雪舟の作品の中でももっとも評価の高い作品です。

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           雪舟〈秋冬山水図〉 

雪舟の絵の前には2,3人居るだけ。名画を独占しました。
その隣のコーナーには宗達の〈風神雷神図〉もありました。

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6日から始まった展覧会は全部で4期に分けられて展示替えが行われます。私たちが行った日は第1期の最終日でした。
100余点がすべて国宝というのは迫力があります。

 私の印象に残っているのは、薬師寺の吉祥天像、信貴山縁起絵巻、古今和歌集(高野切本)、火炎型土器、縄文のビーナス、仮面の女神などです。

 入館直後は比較的すいていたのですが、やがて大混雑に。絵巻物などを最前列で観るのはなかなか大変でした。

 出品されている209点の作品全てを観るためには4回通う必要があります。

 会期は11月26日までで約50日と短くなっています。半世紀に一度の貴重な国宝展を観て、あらためて日本の文化・芸術のすばらしさを実感しました。

2017年10月17日 (火)

「バベルの塔」展:国立国際美術館

 今回はミレーの会のメンバー12人で出かけました。午前中北斎展を堪能した後、あべのハルカス隣接のホテルで和食のランチをいただいた後、タクシーに分乗して中之島の国立国際美術館へ。この美術館は地上にあるのは太いパイプを組み合わせた巨大なモニュメントがあるだけで、世界でも珍しい完全地下型美術館です。展示場などは隣接の市科学館の地下にあります。

 ここで一昨日(15日)まで開かれていたのが「バベルの塔」展です。私たちは会期終了の前日に観たことになります。入場待ちの列はありませんでしたが、館内はまなり混んでいました。

 この展覧会は16世紀ネーデルラントを代表する二人の画家とその周辺の画家の作品約90点で構成されています。

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       ブリューゲル1世〈バベルの塔〉

 展覧会場の最後の部屋に展示されていました。縦59.5横74.6㌢の小さな作品です。その小さな作品に実に壮大な世界が描かれています。雲の上にまで伸びて空を着く塔はまだ建設途上で、絵のあちこちで作業が行われています。港には建設資材を運ぶ船が入っています。はるか彼方には水平線。この絵に描かれている人物は約1400人とか。米粒ほどの人物が精密に描かれていますが、会場では絵に近寄ることも立ち止まって観ることもできないのでまったく確認できません。

 ブリューゲルの作品として、約40点の版画が出品されています。2_20171017_0001
         〈大きな魚は小さい魚を食う〉

 ボスはブリューゲルよりも半世紀前のネーデルラントの奇想の画家です。遺されている油彩画は25点ほどとされています。今回は2点が出品されています。その2点。

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         ボス〈放浪者(行商人)〉

 この絵を仔細に見ていくと随所に様々な要素が描かれていて実に多くのことを伝えています。

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         ボス〈聖クリストフォロス〉

 背中の少年はキリストです。枝に吊された血を流す魚は磔刑に処せられるキリストを暗示しています。画面中央左では殺された熊が
木に吊されています。そのほか様々な要素で寓意を描いています。

 ブリューゲルとボス、そして同時代のネーデルラントの画家たちの貴重な絵画と彫刻を見ることができました。

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         国立国際美術館地上部分

2017年10月16日 (月)

「北斎展」

 今年開かれる展覧会の中で特に人気の高い展覧会です。90歳まで生きた葛飾北斎の晩年の30年に焦点を当て、北斎の芸術の魅力に迫るすばらしい展覧会です。
 200点を超える作品が出品されていますが、その3分の1にあたる66点が肉筆画です。
 北斎と言えば〈神奈川沖浪裏〉や〈凱風快晴〉などの浮世絵版画がよく知られていますが、今回出品されている肉筆画に北斎のすばらしい才能がよく表れています。

代表的な浮世絵作品

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        〈富嶽三十六景 神奈川沖浪裏〉

くだける波頭の描き方に北斎独自の工夫された技術があります

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         〈富嶽三十六景 凱風快晴〉

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               〈花見〉 65歳頃
 美しい肉筆画です。着物の細かい柄、桜の花、動きのある人物など。

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       〈鳳凰図天上絵彩色下絵〉 86歳頃

最晩年の肉筆画

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     〈雨中虎図〉         〈雲竜図〉
 作品右下に「百」の字の朱印が捺印されています。百歳まで生きることができれば、’神の領域’に達するという強い意志表示とされています。

 約200点のうち、日本国内収蔵の作品は約30点だけです。多くは大英博物館の収蔵です。そのほかライデン・ギメ・メトリポリタン・ボストンなど世界各地の美術館所蔵の作品が出品されています。
 今回の展覧会は大英博物館との国際共同プロジェクトによるものです。大英博物館での展覧会も連日大入りとなる人気だったとのことです。
 今回の会場は大阪のあべのハルカス美術館です。国内最高の300㍍のビルの16階にあります。10月14日(土)、ミレーの会11人で大阪に向かいました。
 主催のNHKが多くの番組を次々と放送してPRしていることもあり、連日大混雑という情報なので開館前に会場に着くため浜松発7時10分の新幹線で新大阪へ。地下鉄に乗り換えて開館前の8時45分に会場着。その時既に時間を早めて開館されていました。並ぶことなくすぐに入館できて一安心。館内はかなり混んでいましたが、2時間余、作品を一点ずつしっかり観ることができまて幸せでした。

 北斎晩年の30年にわたる鬼気迫る画業の迫力に圧倒されました。90歳の驚異的な高齢で没するまで、研究と工夫を重ね次々と新しい境地を開拓していった北斎の全容を知ることができるすばらしい展覧会でした。会期は6日に始まったばかりで11月19日までです。

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