2018年9月
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美術展

2018年9月 1日 (土)

名古屋ボストン美術館最終展

 1999年にオープンした名古屋ボストンが、開館20年で本家との契約の切れる2019年度末で閉館することになりました。今回の「ハピネス~明日の幸せを求めて」が最終展です。

 名古屋ボストンは名古屋の財界が中心になって財団を設立し、県や市の拠出金も得ながらこれまで運営してきました。開館当初を除いて赤字が累積して厳しい運営が続いていたこともあり、契約を更新しないことになりました。開館当初の契約では、展示される作品は本家ボストン所蔵のものに限られることや、名古屋側に出品作品を選ぶ権利がないことなどの厳しい条件があったことも、運営に支障があったものと思われます。

 今回の最終展にはボストンから74点が出品されています。ボストンが誇る日本美術の所蔵品の中から、曾我蕭白の〈琴棋書画図〉が初出品されています。もっとも注目される作品です。

_20180901_0006 _20180901_00071760年頃
修復前の画像で六曲一双の屏風となっています。
今回はオリジナルの襖の状態に修復されていました

第1章の 愛から生まれる幸せ~日常の情景~では親子や兄弟などを描いた作品が中心でした

  

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ミレー〈編み物のお稽古〉  ルノワール〈ガンジー島の海辺の子
     1860年頃               どもたち〉1883年頃

 出品作品のうち約4割はアメリカ美術の作品です。ジム・ダインのハートの作品が11点でした。

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  ジム・ダイン〈エル・エー・アイワークス〉 1982年

 これまで何度も通った名護やボストンの閉館は寂しいことです。
今回の展覧会は最終展としてはいささか地味で残念でした。
会期は10月8日までです。

2018年8月31日 (金)

「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」:名古屋市美術館

 「ミレーの会」のメンバーのうち9人で名古屋へ出かけました。名古屋市美術館で開催中の「至上の印象派展」は国立新美術館、福岡国立博物館で多くの入館者を集めて名古屋に巡回してきました。
 ビュールレ・コレクションはドイツからスイスに移住したビュールレの世界有数のプライベート・コレクションです。チューリッヒのビューレル邸で展示されていましたが、2020年オープン予定のチューリッヒ美術館新館に収蔵されることになり、この度の日本での公開になりました。
 ビュールレ・コレクションは約600点とされていますが、今回はその中から64点が出品されています。ビュールレの優れたコレクションは印象派とポスト印象派が中心で、関連してその前後の時代の作品も所蔵しています。

 今回の出品作品のうち、ゴッホ6・セザンヌ6・マネ4・モネ4・ルノワール4・ドガ4・ピカソ3・ピサロ3・ブラック3・ゴーギャン2・ドラクロワ2・シスレー2・ボナール2などそれぞれの画家について複数の作品があり、主題や年代による作風の違いなどを見ることができます。

ゴッホ

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  〈花咲くマロニエの枝〉  〈日没を背に種まく人〉1888年
   1890年           ミレーと浮世絵の影響
ゴッホの〈アニエールのセーヌ川にかかる橋〉の絵には煙を吐く蒸気船や鉄橋を渡る機関車が描かれていて私には新しい発見でした

この展覧会の目玉の作品

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    ルノワール〈(可愛いイレーヌ)〉 1880年

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   セザンヌ〈赤いチョッキの少年〉 1888-90年

同じ場所を描いているのですが・・・

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カナール〈サンタ・マリア・   シニャック〈(サンタ・マリア・デッラ・
デッラ・サルーテ聖堂、      サルーテ聖堂)〉1905年
ヴェネツィア〉 1738-42年

モネ〈睡蓮の庭、緑の反映〉 1920-26年

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2×4㍍の大作。最後の部屋に展示。この作品だけ撮影可。

  出品点数は少ないのですが、充実したコレクションで質の高い展覧会でした。会期は9月24日までです。

2018年8月30日 (木)

名古屋の美術館めぐり

 ミレーの会の美術館めぐりで名古屋へ出かけました。参加者9人。
最高気温が35.6℃を記録した猛暑の名古屋で、名古屋ボストン美術館「最終展」と、名古屋市美の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」を観ました。

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   開館以来20年、何度も通ったボストンです

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  この奥が名古屋市美   モネ〈睡蓮の池、緑の反映〉
                   撮影可

美術館めぐりの後は名古屋一の居酒屋「大甚」へImg_2821 Img_2822
   4時開店前の行列        大甚

展覧会については後日アップします。

2018年8月24日 (金)

「岸田劉生展」:豊橋市美術博物館

 雨雲が垂れ込めて時折雨が落ちてくる中、車で豊橋へ向かいました。久しぶりの豊橋市美です。

 岸田劉生(1891-1929)は明治末~昭和初期にかけて日本の画壇で大きな存在だった画家です。38歳の若さで早世したため彼の画業はわずか20年です。
 今回の展覧会には劉生16歳の作品から最晩年の作品まで約90点。そのうち約半数が20代前半までの若い時の作品です。

 展示はⅠ風景画・初期 Ⅱ肖像画 Ⅲ麗子像 Ⅳ静物画 Ⅴ風景画 Ⅵ版画・日本画 という構成になっています。

 20年という短い画業の中で、劉生の描く絵は風景画にしても肖像画にしても刻々と作風が変わっていくことがよくわかります。印象派やゴッホ、セザンヌなどのポスト印象派の影響やデューラーなど北方ルネサンス、さらには中国の宋元の絵画の影響も見られます。

 劉生と言えば〈麗子像〉。今回は10点が出品されています。その中で最も早いのが1918年制作〈麗子肖像(麗子五歳之像)〉です。
チラシに使われている〈二人麗子図(童女髪飾図)〉は1枚の絵に麗子が二人描かれている珍しい作品です。顔などに比べて麗子の手が極端に小さく描かれています。

 肖像画・静物画・風景画いずれを観ても「上手い!」と思わず声が出てくる感じです。劉生の画業を俯瞰できる展覧会です。

会期は9月2日までです。

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           〈二人麗子図〉1922年

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〈麗子肖像(麗子五歳の像)〉  〈画家の妻〉1914年
  1918年

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  〈道と電信柱〉1914年 〈静物-林檎三個、茶碗、ブリキ罐、匙〉
                  1920年

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豊橋市役所    豊橋美術博物館

2018年8月23日 (木)

「近代美人画~描かれた女性たちに託された秘密」:平野美術館

 浜松市・平野美術館の特別展です。1878年から2014年まで120年余、明治・大正・昭和・平成の美人画46点が出品されています。
 明治期の月岡芳年・水野年方・梶田半古、明治期の挿絵画から始まる鏑木清方は大正から昭和まで5点、大正期を代表する竹久夢二は2点、昭和を代表する上村松園2点、伊東深水3点など日本画による美人画の代表的な画家の作品を観ることができます。
 そのほか、中村貞以・梶原緋佐子・北野恒富や浜松出身の野島青慈など。
 現存の画家ではもっとも若い田宮話子(1964~ )・國司華子(1964~ )や岡田眞治(1962~ )など。梅原幸雄(1950~ )の〈花明かり〉
は六曲一双369.0㌢の大作です。

 明治期の雑誌や小説の挿絵は当時人気のあった文芸作品の名場面をみごとに描き、読者を熱狂させたのでしょう。
 展覧会のサブタイトルに’描かれた女性たちに託された秘密’とありますが、これはそれぞれの作品に描かれた女性の様々な表情や化粧、衣裳、背景など1枚ごとに特色が有り、画家がその1枚に込めた思いが観る者に伝わってくることを意味しているのでしょう。

 なかなか見応えのある展覧会でした。会期は9月2日までです。

  平野美術館で12点の作品を観ることができますのでアクセスしてください。  http://www.hirano-museum.jp/annnai.html

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           上村松園 〈朝ぞら〉 1937年

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      伊東深水 〈傘美人〉 1949年頃

2018年8月 7日 (火)

藤森照信展:秋野不矩美術館

 藤森照信は秋野不矩美術館の設計者です。美術館の開館20周年を記念して藤森の建築家としての成果を紹介する展覧会です。

これはなんでしょう?

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       茶室〈望矩楼〉 2018年 屋外展示
 この展覧会のために設計された新作の茶室です。地元天竜の杉や桧が使われています。壁面の銅板の折り曲げには地元の人たちが協力しました。

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 藤森照信は建築史家でしたが、1991年に建築家としてデビューしました。その後、自然素材を多く使ったユニークな建築作品を次々と生み出しています。その作品は国内にとどまらず、韓国・オーストラリアなど世界各地に広がっています。
 この展覧会では住宅・公共建築・茶室など藤森作品の写真・スケッチや自然素材の建築材見本などが出品されています。

 第2展示室は秋野不矩の作品9点が特別出品されています。
〈オリッサの寺院〉は縦122㌢横705㌢の大作ですが、この作品は美術館の開館を記念して秋野が制作し、寄贈した作品です。この年(1998年)秋野不矩は90歳でした。展示室の漆喰の壁面はまさに秋野のこの作品のために用意されたものです。 

 展覧会は8月4日に始まったばかりで、会期は9月17日までです。

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2018年8月 6日 (月)

「安野光雅のふしぎな絵本展」:静岡県立美術館

 安野光雅(1926~  )は画家、絵本作家、装幀家など幅広い分野で今も活躍しています。安野の故郷である津和野を訪ねたのは2015年秋のことでした。駅前に立派な安野光雅美術館があり、そこで安野の代表作の多くを観たのでした。

 今回の展覧会の出品作品はすべて津和野の美術館所蔵のもので、3年前に観たことがある作品です。

第1章 ふしぎな世界 「ふしぎなえ」 「さかさま」  「ふしぎなさーかす」 「もりのえほん」 「空想工房の絵本」の原画です。よくよく見て見ると現実にはあり得ないような不思議な世界が描かれています。

第2章 文字をたのしむ 「ABCの本 へそまがりのアルファベット」
「あいうえおの本」

第3章 科学のおはなし 「天動説の絵本 てんがうごいていたころのはなし」

第4章 数字とあそぼう 「かぞえてみよう」

 楽しくてふしぎな安野光雅ワールドを楽しんできました。精密に描かれた絵の謎解きには時間がかかります。

 会場では夏休み中の子どもたちの姿もありました。

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            ふしぎな絵

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            〈地獄の門〉 ロダン

新収蔵品展 県美が2017年度に新しく収蔵した作品の紹介展から

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〈Mt.Fuji #38 〉 石川直樹  〈富士山〉河合新蔵 1902年
2008年

会期は9月2日までです。

2018年8月 3日 (金)

「ヴラマンク展」:静岡市美

 ヴラマンク(1876-1958)は20世紀前半に活躍したフランスの画家、文筆家です。20世紀初頭にはマティス、ドランなどとともにフォービズムの旗手として知られました。
 田園風景などの風景画、花、静物画などを描き続けました。この展覧会には68点が出品されていますが、その中で町や村の雪景色が3分の1、花が数点あります。

 ヴラマンクは画業とともに文章による表現も重視して多くの著作を残しています。この展覧会では1枚1枚の絵の横に彼の文章を記したパネルが掲示されています。かなり長い文章もあるので丁寧に読んでいくと絵を見る方がおろそかになりそうです。また、混んでいる場合はパネルを読む人でかなり渋滞ができそうです。
 私が行ったのはオープン6日目の8月2日の昼でしたが、入場者は少なく閑散としていましたのでゆっくり読むことができました。
 展覧会としてはアピールするものが少なく地味な印象です。

 ’芸術家の作品は、彼の命の花である’ ’私は、空、樹木、雪、そして生命・・・に共感しているのである’ などなど。

 しっかりした構成と早い筆の運び、抑制された色調などで彼が暮らしてきた地の風景と、妻が活けた花などを美しく描いています。

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         〈冬の村の眺め〉 1930年頃

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       〈漁船の帰還、ブルターニュ〉 1947年

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  〈ヒナゲシの活けられた花瓶〉 1936-37年頃

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 会期は9月24日までです。

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2018年7月 5日 (木)

「日本美術と高島屋」展:遠鉄百貨店

 浜松で唯一のデパートである遠鉄百貨店の30周年記念展覧会です。提携している高島屋が所有している優れたコレクションから明治~昭和を代表する日本画家の作品約60点と婚礼衣装や調度品など。
 横山大観・竹内栖鳳・前田青邨・富岡鉄斎・川端龍子・鏑木清方・川合玉堂・平山郁夫・東山魁夷など・・・。呉服屋時代の高島屋から始まった画家たちとの交流から多くの作品が遺されています。
 また、1922年に高島屋飯田家とトヨタの創業家が姻戚関係になった際に寄贈された衣装や調度品なども出品されています。いずれも高島屋資料館の収蔵品です。
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 竹内栖鳳<アレ夕立に> 1909年   富岡鉄斎 <碧桃寿鳥図> 1916年 
 すばらしいコレクションです。
 新館8階ホールで8日まで。

2018年7月 1日 (日)

「モネ それからの100年 展」:名古屋市美術館

 午前中の名古屋ボストン美術館から白川公園にある名古屋市美に移動しました。昨年夏に半年ほど施設改修のために休館していたこともあり、3年ぶりに訪れました。
 開館30周年記念の特別展は「モネ それからの100年」です,。この美術館ではこれまでに1994,2002,2008年にもモネ展を開いています。

 タイトルの「・・・それからの100年」のそれからはモネが1926年にオランジェリー美術館にスイレンの壁画を描いてからおよそ100年ということです。その100年の間にモネの影響を受けたり、モネに敬意を抱いたりした画家たちが現代の新しい芸術を生み出したというのがこの展覧会のコンセプトのようです。全96点のうちモネ29点、日本人の作品約30点、その他はクーニング、リキテンスタイン、ウォーホールなどの現代芸術家の作品です。 
 モネは印象派の画家というよりは、現代アートの先駆者とも言える位置づけです。
モネの睡蓮は6点ありました。
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          モネ <睡蓮>  1906年 吉野石膏
 
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       福田美蘭 <睡蓮の池> 2018年 作家蔵
 モネとその後のアーティストを新しい視点で組み合わせたことに興味を持ちました。
 この展覧会は今日7月1日までつい先ほど終わったばかりです。モネの人気は相変わらずで入場者は10万人を超え、最終日の今日は入場待ちの時間帯もあったとか。
 私が行った6月27日(水)の午後もかなりの入場者でした。

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