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書籍・雑誌

2017年3月 2日 (木)

直木賞「蜜蜂と遠雷」①

 2016年下期の直木賞を受賞した恩田陸の「蜜蜂と遠雷」を読みました。
 この10年ほどでこれほど面白い本を読んだことはありません。上下2段で500頁以上、400字詰め原稿用紙で1142枚という長編小説です。審査委員の北方謙三は「1頁読んだらやめられなくなった。10時間かけて一気に読んだ。2回目に読んだときは音楽が聞こえてくる感じだった」と述べています。

 

 私も読み始めたら一気に読みたくなったのですが、外出などで度々中断しながら数日かけて読みました。

 

 私がまず興味を持ったのは、この小説が浜松で開催されている国際ピアノコンクールを題材としていることです。作品では芳ケ江国際ピアノコンクールとされています。このコンクールは1991年に始まり、3年ごとに開催されています。2015年で9回目・・・私は第1回から聴いています。会場の様子、コンクールの雰囲気、予選通過者発表の
瞬間の緊張の瞬間など、この作品に描かれた情景は手に取るようにわかります。読みながらそれぞれのシーンが浮かんできます。作者の恩田陸さんは第6回から第9回までの4回のコンクールに通って取材を続けたとのことです。
 その臨場感がすばらしいのですが、もっとすばらしいのはコンテスタントの演奏する様々な曲を文字で表現していることです。モーツアルト、ショパン、ラフマニノフなどの曲が聞こえてくる感じです。(続く)

2014年8月14日 (木)

隣の町の夏祭り

夏祭りの最後に花火が打ち上げられました2014_08140058 2014_08140022
  打ち上げ花火          手筒花火

2013年12月 9日 (月)

東洋文庫ミュージアム

 東洋文庫は三菱財閥の第3代岩崎久弥が1924年に設立した東洋学の図書館・研究機関です。蔵書数は約95万点。国宝5、重文7を保有しています。2011年にミュージアムを有する新館ができました。

 現在、「マルコ・ポーロとシルクロード世界遺産の旅-西洋生まれの東洋学-」開催中です。(内部は一部を除いて撮影可です)

国宝 文選

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東方見聞録

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この「東方見聞録」は1485年にアントワープで出版されたラテン語訳本です。「東方見聞録」の印刷本としては世界で3番目に古いものです

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皇帝印のある「永楽大典」   小泉八雲自筆書簡

東洋文庫

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天井まで届きそうな万巻の書。モリソン文庫。時価70億円とか…

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㊧東洋文庫(左)。右隣は駒込警察署  
㊨各国語で表記されたメッセージ

レストラン「オリエント カフェ」で

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特別ランチ「マリー・アントワネット」1800円 1日10食限定

重箱は小岩井農場の杉板で作られた漆塗りの特製

地味ですが充実したコレクションで驚嘆しました。

2011年1月19日 (水)

「三島由紀夫の来た夏」:」横山郁代・著 下田を愛した三島の思い出

 三島由紀夫が割腹自殺したのは1970年11月25日のことでした。昨年の没後40年を機に、三島がお気に入りだったマドレーヌを現在も製造・販売している日進堂菓子店の経営者である横山さんが三島との出会いやエピソードを綴ったものです。

 横山さんは中学生だった1964年に下田で始めて三島に出会いました。それから1970年まで、三島は毎年の夏を家族と下田で過ごしました。横山さんの菓子店で毎年マドレーヌを買い求める三島と会話をかわし、三島の中では演劇の好きなお菓子屋のお嬢さんとして記憶されます。

 三島との最初の出会いから、2007年三島が自ら命を絶った市ヶ谷記念館(元自衛隊市ヶ谷駐屯地)を見学に訪れるまでの40年余に及ぶ三島に対する思い出と敬慕の念をつぶさに記しています。

 下田市内で三島が訪れたごひいきの店や町の通り、浜辺などゆかりの土地も数多く登場します。さらに三島と縁のあった地域の人々も実名で描かれています。

 ダンディな三島が意外に気さくで地元の人たちと交流していたことがわかります。

 第3章では下田、西伊豆、東伊豆など小説の舞台となった土地が作品の紹介とともに描かれています。随所に関連の地図や写真が挿入されています。

 三島由紀夫の肖像写真も11枚掲載されています。水着姿などいずれもラフなスタイルの三島由紀夫です。

 著者の横山さんは三島没後アメリカに留学し、帰国後結婚、日進堂菓子店を継いでいます。小学生の頃から好きだったというジャズを歌うヴォーカリストでもあります。

 横山さん自身の三島に対する強い思い入れが伝わってくる内容ですが、われわれの知らなかった三島由紀夫の一面を教えてくれます。

 1月18日の朝日新聞朝刊(東京本社13版遠州)28面にこの本が紹介されています。
 扶桑社・平成22年11月10日初版第一刷発行・243p・1470円

 私は著者が経営する日進堂菓子店の銘菓「マドレーヌ」を通販で取り寄せたことがあります。2年前のことですがマドレーヌなどの写真を添えてブログに書いていますのでここをごらんください。

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                               朝日新聞H23/1/18

 

2011年1月18日 (火)

「観光アート」:山口裕美著・光文社新書(追記あり)

 「観光アート」は著者の造語です。一つの意味はアートを見ることを目的とした旅のことであり、もう一つはアートを活用した観光、町おこしのことを指しています。

 美術鑑賞を目的としたツアーが数多く企画され、グループで美術館めぐりをする人たちも激増しています。

 私も静岡文化芸大の聴講生の仲間と毎年美術館めぐりの旅を企画し、楽しんでいます。

 著者の山口裕美はアートプロデューサーであり、eAT金沢99総合プロデューサーや掛川市「現代アート茶会」芸術プロデューサーを務めています。

 この本では今全国で話題になっている現代アートの新名所として、①香川県直島 ②青森県立美術館&国際芸術センター青森 ③金沢21世紀美術館 を紹介しています。

 私たちの仲間は昨年5月に金沢21世紀美術館を訪ねました。(昨年のブログ記事はhttp://hamajubiyama.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/index.htmlをごらんください)。今年は5月に直島を訪ねる予定で今から楽しみにしています。

 さらにアートプロジェクトの新しい潮流として著者自身がかかわっている ①越後妻有アートトリエンナーレや②eAT金沢、③掛川現代アートプロジェクトのほか、横浜トリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭2010などを取り上げています。

 著者自身の経験のも触れながらアートがまちおこしの切り札となって地域の活性化につながった事例が紹介されています。

 後半では全国各地の美術館を紹介する「一度は訪ねてみたい美術館100」です。所在地・開館時間観料やアクセスのほか、それぞれの美術館のセールスポイントが簡潔に紹介されていて大変便利です。

 静岡県ではクレマチスの丘・MOA美術館・県立美術館の3館が紹介されています。

 掛川市「現代アート茶会」美術プロデューサーを務めてい著者は静岡新聞「時評」欄に定期的に寄稿しています。

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                            静岡新聞1月12日朝刊

 

2010年8月 8日 (日)

「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」

 8月6日は広島の、明日9日は長崎の原爆記念日です。そして3月1日は…1954年に焼津の漁船第五福竜丸がビキニ環礁でアメリカの水爆実験による大量の死の灰を浴びた日です。

 無線長の久保山愛吉さんは「放射能症」で9月23日に亡くなりました。久保山さんは「原水爆の被害者はわたしを最後にしてほしい」という言葉を残して。

 「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」は、ベン・シャーンが第五福竜丸を描いた連作に、アーサー・ビナードが日本語の詩をつけた絵本です。

 ベン・シャーン(1898-1969)はリトアニア生まれのアメリカ人で20世紀のアメリカを代表する画家の一人です。社会派リアリズムの画家で、第五福竜丸の連作もその一つです。この絵本の絵は「鯉のぼり」や「焼津の家並み」に始まり、水爆投下の瞬間や久保山さんの死、放射能の雨、麦畑などの油彩画と黒の線描画で構成されています。いずれもみごとな絵です。

 これらの絵に日本語の詩をつけたのがアーサー・ビナード(1967~ )です。アメリカ…ミシガン州生まれで1990年に来日、詩人・俳人・翻訳家。2001年中原中也賞。

 この絵本は二人のコラボレーションということになりますが、ベン・シャーンが没したときビナードは2歳ですからもちろん面識はありません。

 「久保山さんのことを わすれない」とひとびとは いった。けれど わすれるのを じっと
まっている ひとたちもいる

 ひとびとは 原水爆を なくそうと 動きだした。
 けれど あたらしい原水爆を つくって つかおうと かんがえる ひとたちもいる。
 実験は その後 千回も 二千回も くりかえされている。

 ビナードの詩は忘れてはならない大切なことを私たちに伝えてくれています。

 8月3日の「天声人語」冒頭にこの絵本をとりあげていました。

Simg_2 「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」:
   絵 ベン・シャーン  構成・文 アーサー・ビナード 集英社  1680円

 ◎第12回 日本絵本賞
 ◎「この絵本が好き」 2007年版国内部門第3位 など

 

 

2009年4月23日 (木)

竹内としみさん初の著書「あしたのつづき」

 竹内としみさんはNPO法人エコライフはままつのメンバーで、浜松市西部清掃工場内「えこはま」の現地スタッフとして私と一緒に活動している仲間で、静岡文化芸大聴講生の仲間でもあります。

 自分のことを‘まめさん’と称している小柄な彼女ですが、好奇心旺盛、行動力抜群、感性豊かで次から次へといろいろなジャンルにチャレンジしています。
 その彼女が4年前に立ち上げたHPに日々書き記した随想や旅の記録、創作4篇などいずれも文才に優れた彼女らしいすてきな文章で綴られた珠玉の作品です。

 子どもの頃からの多くの人との出会いが描かれていますが、一貫して暖かい心で人と接する著者の生き方に感銘を覚えました。

 高校時代から始まった一人旅で彼女が大きく成長していったこともよくわかります。一人旅は今でも続き、彼女は今でも成長しています。

 亡くなられた父上や友人を追慕する文も胸を打ちます。

 竹内さんは今陶芸に燃えています。陶器との出会いは20代のはじめに大原美術館で見た河合寛次郎の作品だったということです。彼の作品はもちろんのこと、彼の陶芸に対する姿勢や哲学に感動したことが陶芸に取り組む原点にあります。
 4月24日から26日、浜松市笠井町の「福ろ」で作品展があります。

 書名の「あしたのつづき」について、彼女は はじめに で次のように述べています。

 生きている限り だれにでも訪れる「あした」
 たとえ今日が辛くても 
 悲しい昨日をひきずっていたとしても
 「あした」が同じ姿で訪れるとは限らない
  のほほん・・・な私はいつもそう思う 
  「あしたのつづき」という言葉は
 ほんの少し先に見えるひとつの「あした」と
 その向こうに待ち構えている 目眩のするような数の「あした」の軍団 
  それらすべてを優しく包んでくれる気がする 
  「きっとわわくするような未来が待っているよ」 
  そんな風に思える魔法の言葉
(中略)
  「あしたのつづき」を信じる私は 
 見えない未来に向かって 迷いながらも今日も歩いている

 最近ある写真コンクールで入選するなど相変わらず多彩な活動を続けている竹内さんです。これからも多方面での活躍を期待しています。

「あしたのつづき」 静岡学術出版 教養新書 234㌻ 1050円(税込み)

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