映画「ひろしま」
1953年(昭和28年)10月に公開された映画です。原爆投下後8年、多くの広島市民がまだ原爆症に苦しんでいる中で制作されました。原作は教育学者の長田新(おさだ あらた)が編纂した文集「原爆の子~広島の少年少女のうったえ」を八木保太郎が脚色したものです。企画・制作は日本教職員組合です。広島市の中・高生や教職員、市民など約85,000人がエキストラとして参加しています。
映画の半分は原爆投下直後の広島の阿鼻叫喚の悲惨な状況を描いたシーンです。太田川の惨状、目をそむけたくなるような救援所の現場など、地獄絵図が忠実に再現されています。服装や防毒マシク、鉄カブトなど約4,000点は市民から提供されたとのことです。リアルな表現に鳥肌が立つ場面がいくつかありました。
戦後数年、ある高校の授業風景から映画は始まります。担任の先生は戦後広島に来た人で、原爆のことを知らない。担任している女生徒が白血病を発病。その生徒の回想の形で原爆投下時とその後の悲惨な状況が描かれます。
ラストは万を超す市民が平和公園に集まってくるシーンです。被爆者を含む多くの市民が参加しています。原水爆禁止の組織的な運動はまだ始まっていません。
浜松の「シネマイーラ」では8月を終戦75年記念として、この映画のほか、「黒い雨」「野火」(1959と2014年の2本)「この世界の片隅に」「おかあさんの被爆ピアノ」を上映しています。私は「黒い雨」と「ひろしま」を観ました。
皆さんにもぜひ観ていただいて、いろいろ考えていただきたいと思いました。
なお、「広島」は明日8/20 10時からが最終回です。
監督:関川秀雄 音楽:伊福部昭
キャスト: 月丘夢路(原爆投下時の女学校の先生) 広島の出身ということで出演
岡田英次 高校の英語教師。狂言回しの役割
山田五十鈴 加藤 嘉 薄田研二 三島雅夫 花沢徳衛 岸旗江 など
« 浜松の気温が国内最高記録に並んだ日 | トップページ | フルーツパークでイチジクの収穫 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画「プラド美術館 驚異のコレクション」(2020.10.27)
- 映画「ひろしま」(2020.08.19)
- 映画「黒い雨」(2020.08.07)
- 万葉の森公園の春の花(2020.03.22)
- 嵐の一日(2019.01.28)
コメント