音楽講座「ベートーヴェンの虚像と実像」
今年はベートーヴェン(1770-1827)生誕250年のメモリアルイヤーです。関連していろいろな企画が考えれれていますが、コロナ禍で実現できないものもあるようです。
浜松では世界に誇る楽器博物館が開館25周年を迎えた年に当たり、企画展「知られざるベートーヴェン」展を開催中です。関連して開催されたのが今回の講座です。講師はおなじみの平野昭先生です。静岡文化芸大では先生の音楽史などの授業を楽しく聴講させていただきました。先生をお招きした食事会でお話を伺うのが楽しみでした。先生はアルコールは召し上がらないのですが、私たちと気楽にお付き合いしてくださいました。
先生が文化芸大在任中から楽器博物館で「音楽探訪」という講座を10年以上続けてくださり、毎年楽しく拝聴しました。今回は久しぶりの講座で楽しみにしていました。
会場は楽器博物館地階の天空ホールです。企画が公表された時点でコロナウイルスの感染が全国で広がっていたことから、入場定員を30名に限定して募集開始。2~3日で満席になりました。講座は3回の予定で昨日8/7が第1回でした。
ところが・・・東京でも浜松でもコロナ感染者が急増する中で、浜松市と市文化振興財団では万全の対応をして当日を迎えるはずだったのですが・・・。数日前に第1回目は先生の自宅からオンラインで対応することが決まったようです。本番まで数時間の昨日の午後、知人からのメールでそのことを知りました。
会場では検温や手指の消毒、マスクのチェックなどがあり、1m以上の間隔で座席が配置されていました。
午後7時、定刻に始まって前面のスクリーンにおなじみの平野先生のお姿が。お変わりない様子でした。
第1回は「ベートーヴェンの虚像と実像」。
ベートーヴェンの傑作はすべてウィーン時代(1793年以降)のものと思われていますが、ボンで生まれたベートーヴェンは4歳の頃から父に音楽の手ほどきを受けて以来、1792年21歳の時にウィーンに移るまでボンで音楽を学ぶとともに、開学間もないボン大学で学ぶなど、後の活躍につながる大切な土台が築かれたと言えます。
先生のお話の中で、ボン時代に作曲したいくつかの曲に、後にウィーンで作曲された名曲の原型があるということでした。12歳の時に作曲した<3つの選帝侯ソナタ>には15年後の<悲愴ソナタ>の原型を見ることができる、など。その証左として楽譜や、曲を収録したCD、さらに会場に用意されたピアノを使った演奏などでわかりやすく説明したくださいました。
演奏に使われたピアノは1795年、ウィーンでワルターが製造したハンマーフリュ-ゲルを河合楽器が復元したものが使用されました。
ウィーンで活躍したベートーヴェンがそれに先立つボン時代に名曲の基礎となる楽想や技術をすでに習得していたことを知りました。
次回は8/21.今度こそ平野先生に直接お目にかか+れることを期待しています。
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