映画「黒い雨」
「黒い雨」は1989年に公開された日本映画です。原作は広島県福山市出身の井伏鱒二。原爆の恐怖と悲劇を描いた映画で、黒い雨などの二次被爆の恐ろしさが明瞭に描かれています。
原爆投下やその直後の悲惨な状況が特撮で極めてリアルに表現されています。カラーではなく、あえてモノクロで制作されています。
監督は今村昌平(脚本も)、音楽は武満徹です。主役の矢須子を演じた田中好子の好演がみごとで、のちに日本アカデミー賞・報知映画賞・毎日映画コンクールなどの主演女優賞に輝いています。矢須子は原爆投下直後、瀬戸内海の小舟の上で黒い雨に打たれたことから、二次被爆発症の心配をしながら叔父、叔母と共に暮らしています。叔父と叔母は矢須子を嫁がせようといろいろ努力するのですが、原爆投下後に広島市内にいたということで相手から断られてしまいます。
入浴中の矢須子の髪の毛がごっそり抜け落ちるのを偶然見た叔母は大きなショックを受け、ひと月後に亡くなります。矢須子の体調に異変が起きており、矢須子が救急車で運ばれるシーンで映画は終わります。時は1950年、場所は県東部の福山市です。原爆投下から5年後の二次被爆の悲劇をみごとに描いています。
叔父=北村和夫、叔母=市原悦子、医師=大滝秀治などのほか、三木のり兵、三谷昇、殿山泰司などが出演しています。
8/6原爆の日午前10時からの上映で入館者は約30人。ほとんどの人が入場料1,000円のシニアでした。戦争や原爆を知らない若い世代に見てほしい名画です。
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