「大観・靫彦・龍子らと修善寺」展:静岡市美術館
伊豆修善寺の新井旅館は1872(明治5)年創業の老舗です。明治から昭和のはじめにかけてこの旅館に多くの日本画家や文人が逗留し、作品を残しました。沼津出身で東京で学んだ三代目の主人相原沐芳は美術への関心が強く、パトロンとして多くの芸術家と交わりました。中でも安田靫彦とは靫彦の病気療養中から関わりもっとも長く続きました。靫彦が修善寺に残した作品は70点余に上ります。さらに横山大観・川端龍子・今村紫紅・小林古径・前田青邨らと親交を深めました。
今回の展覧会はこれらの画家が新井旅館に残した作品とその背景を書翰などの資料によって紹介するものです。
これらのコレクションは現在伊豆市の所蔵になっています。
毎年正月にはこれらの画家が年賀として一幅の絵を沐芳に贈っており、これらの小品がいくつか展示されています。画家たちとの深い関係がわかります。
伊豆修善寺の温泉旅館で優れたコレクションが形成された経緯がよくわかる展覧会です。
新井旅館
現在も営業中の人気の旅館です。建物の多くが国の有形登録文化財に指定されています。私は20数年前に出張で泊まり、趣のある部屋で会議をしたことがあります。
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