カラヴァッジョの作品 屋根裏から発見
イタリアの画家カラヴァッジョ(1571-1610)の傑作と同じ題材の絵画がフランス南部の民家の屋根裏から発見され、鑑定の結果カラヴァッジョの真作とみられるというニュースがテレビや新聞で報道されています。〈ホロフェルネスの首を斬るユディット〉です。
鑑定の結果真作と考えれることからフランス政府が買い入れを検討しているとのことで、価格は150億円と推定されています。
カラヴァッジョは16世紀末から17世紀初頭にイタリアで活躍した画家で、西洋美術史上最も偉大な画家の一人です。ルーベンス、レンブラントなどバロック時代の画家に多大な影響を与えています。
この春、上野の国立西洋美術館でカラヴァッジョ展が開かれています。私は3月31日に観てきました。出品されているカラヴァッジョの作品は11点ですが、これは世界有数の規模です。彼の作品は60数点しかなく、しかもそのうち多くの作品は教会の壁画などで移動ができません。これだけの作品が揃うのは日本で初めてで、今年一番見応えのある展覧会だと言われています。
〈果物籠を持つ少年〉
〈トカゲに噛まれる少年〉
〈バッカス〉
いずれの作品を見ても、果物の精密な描写、美少年の表情などとともに、光の描写に特色があります。後のレンブラントなどに大きな影響を与えています。
一方、聖書に基づく宗教画を各地の教会に遺しています。
もう日本では二度と見ることができないかもしれない優れた展覧会でした。
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