「柳宗悦と民藝運動」:前期最後の授業
静岡文化芸大前期の授業は今日が最終日でした。7月30日まで授業があったのは初めてです。授業中の2時過ぎの浜松の気温は37℃を超え、大教室は蒸し風呂のような暑さで熱中症で倒れる人が出るのではないかと心配しました。エアコンを作動させていたとのことですが、全館集中管理で28℃に設定されているため、100人以上が受講している大教室ではおそらく30℃を超えていたのではないかと思います。授業が終わった時に教室に来た大学の職員に対して「エアコンはどうなっているのか」と質問する声が聞こえました。せっかくの講義に集中できない環境で残念でした。
「都市文明論」15時間目・・・最後の授業は熊倉学長の「柳宗悦と民藝運動」の続編でした。先週は欠席したので残念ながら後半だけの聴講になりました。熊倉学長は日本文化史、茶道文化史研究のほか民藝運動についても「民芸の発見」(角川書店)
今日の授業ではまず柳宗悦が残した三つの大きな業績として①日本民藝館の設立 ②雑誌「工藝」の発刊。昭和6年~28年。120冊 ③民芸品を販売する組織である「民芸店」を各地に開設したこと、があげられました。
民芸館設立の始まりが浜松であったことが紹介されました。民藝運動を支援した髙林氏が自邸内に「日本民藝美術館」を開設したのは1931年のことでした。
髙林氏とは当時の積志村有玉(現在の浜松市東区有玉)の旧家の当主髙林兵衛氏のことです。和時計や大津絵などのコレクターであった髙林氏が江戸時代の建築であった自邸を解体し、その部材を用いて建設したのが最初の民藝館です。
この「日本民藝美術館」は2年で終わり、現在の日本民藝館が駒場に開設されたのは1936年のことでした。
授業ではその後、戦前の沖縄での活動、戦中は反軍国主義の立場に立ち、工藝発掘運動を進めたこと、戦後は仏教の影響を大きく受けたこと、民藝館茶会で茶器を作者や来歴に関係なく評価したことなどの話がありました。
学長自らがご自分の専門分野についてわかりやすく、よどみなく展開された授業は今期の最後の授業として素晴らしい内容でした。
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