「華麗なるジャポニスム展」:名古屋ボストン美術館
ミレーの会今年初めての美術館巡りは名古屋です。12人が参加して二つの展覧会を観ました。
①「華麗なるジャポニスム」展:名古屋ボストン美術館
ボストン美術館が所蔵する膨大なコレクションの中から、広重(14点)・歌麿・北斎・国定などの浮世絵30点余のほか工芸品など、19世紀半ばから20世紀初頭にかけて西洋の美術に大きな影響を与えた日本の美術品と、その影響が顕著に見られる西洋の絵画など100点余が出品されています。
特にマネ、ドガ、モネ、ゴッホなど印象派の画家たちが日本美術に魅了されて次々と新しい傾向の作品を制作し、ジャポニスムと呼ばれる現象が生まれました。
モネ〈ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・マネ)〉
ポスターやチラシのデザインに使われている作品です。鮮やかな裲襠と十数枚の団扇などまさに日本趣味そのものです。実際にこの作品の前に立つと裲襠の存在感に圧倒されます。
左下の2枚は、天地を貫く太い柱によって画面が分断されています。国定の浮世絵の手法とドガの作品の比較です。
下中央のコールマン〈つつじと林檎の花のある静物〉は日本人の作品と見間違えそうです。
右上のゴッホ〈子守唄、ゆりかごを揺らす「オーギュスティーヌ・ローラン夫人〉はその隣の広重の大判錦絵と対比されています。背景の菊などに影響が見られます。
大胆な画面構成、鮮やかな色使い、装飾性など日本美術の影響が多方面に及んでいることがわかります。ジャポニスムの系列の作品を見ることによって日本の芸術を見直すことができそうです。会期は5月10日まで。金山駅から徒歩50㍍のビルにあります。
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