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2015年3月16日 (月)

「絵画者 中村 宏」展:浜松市美術館

 中村宏(1932~ )は浜松出身の現代画家で自らを「絵画者」と名乗り、84歳の今も新しい絵画の制作に励んでいます。
 1902年に浜松裁縫学校(現・浜松学芸高校)を創立した中村みつの孫として生まれ、幼少期から女学校の敷地にあった自宅で生活していました。
 編入した旧制浜松二中(浜松西高)から日大に進んでいます。

 この展覧会は中村が大学時代の19歳で描いた作品から昨年制作した作品まで61点が、制作様式の変化によって7つの章に分けて展示されており、中村宏の画業の全体を俯瞰する構成になっています。

 ボール紙や板に描かれた初期の3点は今回中村のアトリエで発見されたもので、本邦初公開で貴重な作品です。いずれも浜松市美術館の所蔵です。

 第1章「ルポルタージュ絵画」の〈国鉄品川〉ではSLのD62と国鉄の労働者がリアルに描かれています。D62の後ろには中村が子どもの頃に乗っていた浜松の軽便鉄道奥山線の機関車がさりげなく描かれています。軌道幅が違うはずなのですが・・・。

 この日(15日)は高校生によるギャラリートークの日でした。「高校生のための学芸員体験講座」に応募した高校生が2回の講座で展示を見ながら中村氏や学芸員から説明を受け、自分の好きな作品を選んで入館者に説明するという企画です。30人募集したということですがこの日登場したのは9人でした。
 中村にゆかりのある浜松学芸高校、芸術科のある江之島高校、浜松市立高校の生徒たちです。男性は一人でした。
 9人とも絵画を制作している生徒たちで、それぞれの作品について、色使い・ハイライトの使い方・画面構成・作品の意味するものなどについて自分の言葉で語ってくれました。人前でのスピーチに慣れていないので声が小さくて聞き取りにくいところもありましたが、よく勉強していると感心しました。

 平面の上に立体感や時間の経過を表現することを試みるなど、常に新しい表現法を追求している中村の作品は、ほぼ10年単位で大きく変貌していることがよくわかります。84歳の今、「消失点」を主題とした作品を制作しています。
 浜松出身のすぐれた現代画家の作品を多くの人に見てほしいと思います。会期は29日(日)まで。
(画像はクリックで大きくなります)

2_20150315_0001

右上=〈国鉄品川〉1955年 右端中央に奥山線機関車
右二段目㊧=〈内乱期〉1958年
右三段目㊧=〈ブーツと汽車〉1968年
右四段目㊧=〈三点消失〉 2014年の最新作
右四段目㊨=〈四世堂々〉 1957年 中央に描かれている祖母中村みつの葬儀の情景

㊧=〈円環列車・B 飛行する蒸気機関車〉 代表作の一つ

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