映画「赤い陣羽織」&映画俳優 香川京子の講演
香川京子の1時間20分に及ぶトークを聴きました。彼女が出演している「赤い陣羽織」上映の後、その映画に出たときの感想からトークは始まりました。
映画「赤い陣羽織」 1958年製作・監督:山本薩夫 原作:木下順二 出演:中村勘三郎/伊藤雄之助/有馬稲子/香川京子/三島雅夫など。カラー/90分
映画初出演の勘三郎が暑さの中大汗をかいて演技していた思い出や、いわゆる社会派で悲劇が主だった山本薩夫監督にしては珍しいコメディだったこと、弓のお稽古をしたことなどの話から始まりました。
四大巨匠と言われる黒澤明・溝口健二・小津安二郎・成瀬巳喜男の映画に出たときの思い出もいろいろ語ってくれました。これらの巨匠や錚々たる顔ぶれの俳優たちの中で、不安と緊張の連続であったとか。小津安二郎の映画には神秘的な美しさがあった。撮影の時、ローアングルのカメラの前で決められた位置にしっかりと座って演技をした。溝口健二は細かい演技指導はしなかった。成瀬の映画は所帯じみた感じの描写が多かった。黒澤明はリハーサルを非常に大切にした、などなど。
共演した俳優についても「東京物語」で原節子と共演してうれしかったこと、「肝っ玉母さん」で共演した松村達雄は自由な考え方をする人で、話をしっかり受け止めてくれたことなど・・・。
後半では今井正監督「ひめゆりの塔」について。この映画に出た後、この悲劇を伝えたいという使命感に燃えた。いろいろ調べて書いたのが香川の著書「ひめゆりの祈り」であり、戦争にはこのような悲劇が伴う、若い人の命を大切にしたいと語りました。
1931年生まれで今年83歳の香川京子ですが、今もさわやかで美しく、服もシックな色合いでした。とてもそのようなお年には見えません。
日本映画の数々の名監督の映画119本に出演し、俳優として充実したキャリアを積み重ねてきたこと、プライベートでも充実した日々であったことがうかがえる楽しいお話でした。
今日のイベントは静岡文化芸大が開催している「MEDIA DESINE WEEK 2015」の一環として大学の講堂で行われました。せっかくの香川京子さんのお話を聴いたのはわずか40人ほどでした。このイベントが広く周知されていたとは言えず、残念でした。
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