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2014年10月 5日 (日)

近代能楽集「綾の鼓」公演

 静岡県舞台芸術センター(SPAC)と静岡文化芸大との連携事業による公演が、文化芸大の講堂で行われました(10月2日)。

 「近代能楽集」は三島由紀夫が能を翻案した現代劇で、「綾の鼓」の他に「邯鄲」「卒塔婆小町」「葵上」「道成寺」など8つの戯曲があります。

 能の「綾鼓」は、女御に恋した庭掃きの老人が鼓を打ってその音が御殿に聞こえたら会ってやろうと言われて懸命に鼓を打ちますが、皮の代わりに綾を張った鼓は鳴りません。絶望した老人は池に身を投げて死に、怨霊となって女御を責め苛むという物語です。

 「綾の鼓」では老人は事務所で働く小間使い、女御は貴婦人に変わっています。
 舞台装置はベンチ一つだけで、部屋を仕切る壁もありません。上手と下手の役者の動きとせりふのやりとりから位置関係を想像しながら見ることになります。
 今回の劇の特徴の一つは仮面劇であることです。登場する人物7人のうち、主役の老人岩吉と貴婦人華子は全面の仮面、加代子とマダムは顔の下半分が見える仮面、藤間と金子はマダムが両脇に抱えている人形。唯一仮面なしは女店員でした。能では面をつけて演じるので違和感はあまり感じませんでした。

 もう一つの特徴は、岩吉と華子は一人二役で台詞と動きを別人が演じていることです。スピ-カーは舞台後方の所作台に座っています。

 目を閉じてスピーカーの台詞を聞いているだけでも展開はかなりわかるでしょう。

 身投げをした岩吉の亡霊が華子の前で鼓を打ち、鼓は鳴りました。しかし、華子は「聞こえません」と冷たくあしらいます。岩吉は鼓を99回打って消えて行きます。華子が「あたくしにも聞こえたのに、あと一つ打ちさえすれば」とぽつりと言ったところで終わります。

 文化芸大の学生がSPACの団員と一緒に舞台に上がり、加代子と女店員を演じました。会場で配布された資料によると稽古は10日間だったということで、かなり厳しかったのではないかと思いました。

 大学の講堂のかなり狭いステージを使ってどのように演じるのか興味がありましたが、三島由紀夫の幽玄な世界をみごとに表現してくれました。

 この公演は入場無料、整理券も不要でほぼ満席でした。

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