ボストン美術館 ミレー展:名古屋ボストン美術館
今年はミレー生誕200年の年ということで記念展が開かれています。名古屋ボストン美術館では開館15周年を兼ねた「ミレー展」です。
ボストン美術館のミレーコレクションから25点が来ています。64点の出品作品はミレーのほかに、コロー(5)・ルソー(2)・クールベ・ドービニー・モネなどミレーと同時代のバルビゾン派の作家19人の作品39点です。
ミレーの25点のうち、〈種をまく人〉〈羊飼いの娘〉〈刈り入れ人たちの休息〉の3点はボストン美術館の三大ミレー作品です。おなじみの〈種をまく人〉はかなり暗い画面です。それまでほとんど無かった働く農民を主題として描いた作品です。ほぼ同じ構図の〈種をまく人〉は山梨県立美術館の所蔵品で、現在生誕200年記念展で展示されています。
〈刈り入れ人たちの休息〉は繰り返し繰り返しデッサンを行って完成した傑作でミレーの代表作と言われています。積み藁の前で休息する農民たちの姿が写実的に描かれています。
〈羊飼いの娘〉は修復が終わったばかりで明るい牧場をバックにして糸を紡ぐ娘が美しく描かれています。
展示室に入ると最初に目に入るのがミレーの数少ない〈自画像〉のうちの1枚です。20代半ばの自画像はやや不安そうな表情で人生を見詰めている感じの絵です。
第2章:バルビゾン村では、ミレーが農民や農村の情景を描いた作品が多く、第3章:家庭の情景では編み物や糸紡ぎの女性像など
の作品が多く見られます。
バルビゾン派の画家たちがフォンテーヌの森を描いた作品はいずれも美しく、当時の画家たちがこの森を愛したことがよくわかります。
この日(20日)、私たちが入館した直後入口付近で拍手と歓声があがりました。入館者が8万人目になったとのこと…あと1,2分遅ければちょうど8万人目になったかもしれません。8万人目というのは中途半端ですが、会期が8月31日までということで10万人目は無理だったのでしょう。
生誕200年目のミレーを知るいい機会でした。
㊨:右上=〈自画像〉 中中央=〈刈り入れ人たちの休息〉
中央右=〈羊飼いの娘〉
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