岡田美術館:最大規模の民間美術館
箱根小涌谷に昨年10月オープンした岡田美術館は5階建てで展示スペアは5,000㎡。サントリー美術館の5倍の広さです。展示ウインドウの長さは700㍍もあります。その広大な展示室に約350点の名作、名品が出品されていて圧倒されます。
現在開催中の特別展は、「再発見 歌麿 まぼろしの〈雪〉」です。歌麿の肉筆画三部作「雪月花」のうち、〈品川の月〉はアメリカのフリーア美術館蔵、〈吉原の花〉はアメリカのワズワース・アセーニアム蔵です。
〈深川の雪〉は1948年以後行方不明になっていました。その幻の名画が修復を終えて66年ぶりで姿を見せました。その名画は2階展示室正面奥の特別スペースにありました。ミレーの会のメンバーは9時のオープン前に入口に並び、一番乗りで名画の前にたどり着きました。198.8×341.1という巨大な肉筆画には27人の人物とネコが描かれています。色鮮やかで細部までみごとに表現された絵をゆっくりと鑑賞することができました。6月30日まで展示の予定です。
15年ほど前から始められたというコレクションは日本と東洋の絵画、陶磁器、工芸・彫刻などです。
特に優れているのは陶磁器ではないかと思われます。古九谷、鍋島、仁清、尾形乾山のほか中国の古代から近代までの陶磁器、朝鮮半島の陶磁器、土偶や埴輪までの名品が数多く出品されていて壮観です。特大の火炎型縄文土器
や土偶の名品もあるのですが、不思議なことにいずれも出土地点が明示されていません。
絵画では雪村・探幽・宗達・光琳・酒井抱一・応挙・若冲・蕪村・歌麿・北斎・大観・御舟・魁夷などの作品が次々と登場します。
工芸・彫刻では、中国古代の青銅器、平安・鎌倉の仏像、蒔絵、螺鈿などの名品を見ることができます。
国内最大級のこの美術館はパチンコ機やスロットマシンのメーカーを経営する岡田氏の蒐集によるものです。
6月13日(金)午後8時から、BS日テレの「ぶらぶら美術館」で岡田美術館が紹介されます。
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