21日の東京…月曜日ということで美術館はほとんど休館。しかも正午から会合ということで、六本木の国立新美術館の企画展一つを駆け足で観ました。
「印象派を超えて 点描の画家たち…ゴッホ、スーラ、モンドリアンまで」です。
印象派の展覧会と言えば多くの入場者が期待できるので全国各地で様々な印象派展が開かれます。
今回は「印象派を超えて」という企画展で微妙なところです。
全100点のうち、Ⅰ「印象派の筆触」では、モネ2点、シスレー3点、ピサロ1点の計6点が印象派の作品として出品されています。いずれも国内の美術館所蔵品です。
Ⅱ スーラとシニャック 分割主義の誕生と展開 からは新しい色彩表現としての分割主義の絵画になります。その典型がスーラの点描による絵画です。

スーラ〈ポール=アン=ペッサンの日曜日〉
シニャックも点描による作品を残しています。

シニャック〈コリウール、鐘楼 作品164〉
スーラ5点、シニャック7点、ピサロ2点など24点が点描など色彩分割の手法で制作されています。
Ⅲ ゴッホと分割主義
ここではゴッホの作品9点が集中して展示されています。すべてクレラー・ミュラー美術館の所蔵品で、これだけの点数が並ぶとなかなか見応えがあります。

ゴッホ〈レストランの内部〉
まさに点描そのもの。ゴッホによる典型的な点描画です。

〈自画像〉 〈種まく人〉
いずれも色彩分割による描写です。
このⅢではゴッホと同時代のゴーギャンやヴラマンクやドランの作品もあります。ヴラマンクの〈小麦畑と赤い屋根の家〉は静岡県立美術館でおなじみの作品です。
Ⅳ ベルギーとオランダの分割主義
出品作品の半数はこのⅣです。すべてクレラー・ミュラー美術館の所蔵品です。
Ⅴ モンドリアン 究極の帰結
分割主義の究極の帰結は色を分割して抽象絵画に到達したモンドリアンです。すべてモンドリアン8点。

〈赤と黄と青のあるコンポジション〉
印象派から後期印象派そして点描を中心とした分割主義による19世紀末から20世紀初頭にかけての新しい傾向の絵画に焦点を当てた企画展です。お目当てはやはり9点のゴッホでしょう。

展覧会ホームページ http://km2013.jp/
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