オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」
静岡文化芸大講堂での公演でした。ステージは教室の半分程度のスペースしかありません。装置は上辺が斜めに切断された白いバックボードとその後ろのスクリーン。それと白いフロアだけ。伴奏はピアノ・チェロ・クラリネットの3人。
序曲が終わると客席後方からトゥリッドゥが歌いながら登場し、ステージに上がります。歌手たちの音量豊かな歌声が狭い講堂全体に朗々と響き渡ります。
このオペラはマスカーニが26歳の時に作曲して一躍有名になったものです。シチリアを舞台にして男女の愛と憎しみが激しく交錯する物語です。
1890年代から20世紀初頭にかけてオペラの新しいジャンルとして登場した「ヴェリズモ・オペラ」の代表作と言われています。「ヴェリズモ・オペラ」とは真実主義とか現実主義の傾向のオペラで、登場する人物は王侯貴族ではなく、庶民であり、日常の生活を時には暴力をともなった表現で描いています。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」でも絶叫や暴力のシーンがいくつかあり、最後は決闘による死で終わります。有名な間奏曲の後、ドラマは一挙に終幕に向かいます。
このような公演スタイルでオペラを気楽に身近で見ることができるのはうれしいことです。原語上演で日本語字幕付き。
演出はミラノ在住の井田邦明、指揮はマッテオ・ヘルファー。歌手たちは国内外で研修や出演の経歴を持つ中堅のメンバーでいずれも好演でした。
終演後、この公演の顧問を務められた文化芸大の高田副学長のご挨拶がありました。
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