川合玉堂展:山種美術館
7月2日、両国から恵比寿へ移動して山種美術館(広尾)へ。生誕140周年を迎えた「川合玉堂展」です。この美術館の創立者の山崎種二は玉堂との親交が深く、70点の作品を所有しています。今回の特別展では前・後期を通じてその全作品が出品されます。前期はそのうち約60点が出品されていました。
玉堂は日本の原風景を類い希なる描写力で、自然と人々に対する
深い愛情を込めて描いています。15歳の時の写生帳は若くして卓越した技術を持つことを如実に示していて驚嘆します。6月30日に放送されたNHKの「日曜美術館」で松井冬子が玉堂のスケッチを見て思わず「ウマッ…」と言って絶句していましたが、まさに驚きの技術です。
玉堂の描く風景のうち、特に雨や霧の描写はまさに玉堂らしい微妙な色合いと筆遣いで絶妙です。
明治・大正・昭和を通じて大観と並ぶ日本画家として活躍した玉堂の70年近い画業の全体を見ることができる展覧会でした。
㊧上:〈渓雨紅樹〉1946年 ㊨上:〈荒海〉唯一の戦争絵画とか1944年
㊧下:〈山雨一過〉1943年 ㊨下:〈早乙女〉1945年
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