「ポール・デルヴォー展」:浜松市美術館
ポール・デルヴォーは20世紀ベルギーを代表する画家です。シュルレアリスムの画家とされていますが、運動に参加することはなく、画風も極端なデフォルメなどはありません。
20代の作品は写実主義や印象派の影響を受けたオーソドックスな作風です。やがて表現主義の影響を受け、その後次第にシュルレアリスムの要素の一部を取り入れた作風に変化していきます。
彼の作品には同じモチーフが繰り返し登場します。それらは、汽車・トラム・駅・骸骨・建築・女性・男性などで、中でも汽車は30代半ばから晩年まで多くの作品に登場します。その多くは汽車が画面から遠ざかって行く後ろ姿を描いた作品です。女性は裸体が多く、無表情に近い顔をしています。
建築家を目指したことがあるデルヴォーの絵にはギリシャ建築やベルギーの古い煉瓦造りの家が多く描かれています。
この展覧会のサブタイトルは「夢をめぐる旅」です。デルヴォーの絵は夢や潜在意識の世界を描いています。観る人は一枚一枚の絵から自分なりに夢の世界を感じ取ることになります。激しい主張はありません。汽車や電車に乗ってロマンの世界に旅立つ雰囲気です。
浜松市美術館で7月15日まで
梅雨空の浜松城公園
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