山梨・長野の美術館を訪ねる旅⑤信濃美術館・東山魁夷美術館・北澤美術館
今回の美術館を訪ねる旅のレポートはこれで終わりです。7日連続で夜の会議が続くなど忙しい毎日で報告が10日以上遅れました。
二日目は別所温泉からまっすぐ長野市へ。善光寺の東隣の城山公園にある県立信濃美術館と併設の東山魁夷美術館を訪ねました。
東山魁夷美術館
横浜生まれの魁夷は信州の自然を愛し、「作品を育ててくれた故郷」へ多くの作品を寄贈しました。この美術館では1000点近い作品や関係図書を所蔵しています。
学芸員の解説を聞いた後展示を見ました。
”魁夷はうたう”シリーズの第二期として”少年時代”が5月30日に始まったばかりでした。
〈六甲裏山〉は当時神戸に住んでいた15歳の魁夷が裏山の小高い丘からの眺望を描いたもので,魁夷少年時代の原風景です。学生時代に靖国神社の祭りを描いた〈祭りの夜〉など、初期のスケッチ12点は井上陽水の「少年時代」が聞こえてくるような懐かしい情景を感じさせます。
そのほか、「北欧風景」、連作”京洛四季”や”古都を描く”、おなじみの”白い馬の見える風景”など、おなじみの魁夷ワールドが展開されます。
信濃美術館
ここでは「ひろしま美術館コレクション~印象派の巨匠たちとピカソ」展が開催されていました。ひろしま美術館は広島銀行が創業100周年を記念して1978年に開館しました。印象派などの作品240点の自慢のコレクションの中から65点が出品されています。
ドラクロワ・ミレー・クールベ・マネ・モネ・ドガ・ピサロ・ルノワール・セザンヌ・ゴーギャン・ロートレック・ルドン・ムンク・ボナール・マティス・ルオー・ピカソ・ユトリロ・ブラック・モディリアーニ・シャガール・ビュッフェ・など47点。ピカソは〈酒場の二人の女〉と〈女の半身像(フェルナンド)〉の2点です。
さらに日本の洋画家=黒田清輝・藤島武二・小出楢重・坂本繁二郎・梅原龍三郎・林武など16点。
計63点の名画は見応えがありました。魁夷美術館よりも入館者が多く、賑わっていました。これだけの作品を貸し出しながら、ひろしま美術館では現在113点のコレクションを展示する展覧会開催中です。
善光寺
美術館を出た後、善光寺参りをしました。
歴代の回向柱に着いての説明を聞く 山門
山門の上から参道を 本堂
北澤美術館
諏訪湖の東岸にあるこの美術館はエミール・ガレなどのアール・ヌーヴォーの作品コレクションで知られています。
ガレのコレクションでは質量ともに国内最高と評価されています。30周年を記念してリニューアル。4月20日にオープンしました。
「ベスト・オブ・ザ・ベスト」と題して開かれている特別展を見ました。有名な〈ひとよ茸ランプ〉などの名品が出品されています。オルセー美術館からも2点出品。学芸員の解説を聞きながら鑑賞できました。
ガラス器だけではなく、現代日本画のコレクションも優れています。東山魁夷・杉山寧・山口華楊・上村松篁・小倉遊亀など、二階の展示会場も見応えがありました。
㊧:ガレ〈ひとよ茸ランプ〉=ひとよ茸が成長していく過程を3段階で表現しています。台座は朽ち果てた茸です。
㊨:ガレ〈蜉蝣に蝉文花瓶〉
二日間で4つの美術館を訪ね、別所温泉の町並みを歩き、善光寺にお参りした盛りだくさんの旅でした。
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