「人間国宝狂言師 野村万作の世界」
人間国宝狂言師 野村万作の実演と対談の会がありました。早稲田大学の地域交流フォーラムとして企画されたものです。
実演では「鐘の音」で鎌倉の寺院の釣り鐘を探して撞いた時の音をみごとに表現しました。
「釣狐」や「木六駄」は映像による紹介がありました。30回近く演じている「釣狐」は僧侶に変身した狐が罠に仕掛けられた餌を食べたくて葛藤しているシーンでした。冠者のすり足と狐のすり足の違いは舞台で実際に演じられました。映像を見た万作は「10年前の72歳の時の映像だが、この演じ方やせりふはいただけない。今なら別の演じ方をする」と語っていました。82歳の今も進化を続けていることに感銘を受けました。
「木六駄」では雪の中で12頭の馬を引き連れて苦労している様子がリアルに表現されていました。
伝統芸能では先祖伝来の様式を守り伝えるとともに、新しい解釈も加えて演じることが大切であり、代々進化していることがわかります。
万作自身若い頃には狂言以外の舞台に立ったこともあるということでしたが、一人息子の萬斎について「シェークスピアなどの芝居に出ていることについてどう思うか」という客席からの質問に答えて、年に2,3作というのは出過ぎではないかという見解を述べていました。もっと狂言に専念して欲しいという父親としての心境でしょう。
狂言の役者として特に優れた人間国宝は演技だけでなく、芸術論や狂言の普及など広い範囲で圧倒的な存在感のある役者でした。
万作自身早稲田の文学部OBで在学中の思い出なども語っていました。
野村万作の登壇の前に、鎌田総長が早稲田の未来戦略について語りました。キャッチフレーズは「グローバル化」です。留学の奨励や海外からの留学生の大量受入など国内の大学で最大規模の実績をさらに拡大する方針とか。今後学生の定員よりも院生の定員の方を多くして、社会で役に立つ質の高い卒業生を送り出したいとのことでした。
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