山梨・信州の美術館を訪ねる旅②無言館・デッサン館
無言館・デッサン館は別所温泉のある塩田平の丘の上にあります。最初に開館したのはデッサン館で1979年、無言館はその分館として1997年に開館しています。いずれも作家水上勉の息子である窪島誠一郎が私財を投じて建設、運営しています。
無言館
太平洋戦争で戦死あるいは戦病死した画学生約30人の作品約300点をはじめ、道具、書簡やはがきなどを収蔵し、展示しています。大半が東京美術学校=東京芸大の卒業生です。それぞれのキャプションの最後には必ず死因と没年齢が記載されています。20歳前後から30代前半までの短い生涯です。
展示されている作品は劣化の激しいものも多いのですが、いずれも
優れた画家になる素質を感じさせる見事な作品です。これらの作品を生み出した有能な若い画家たちがこれからという時に戦争の犠牲となったことの意味を深く考えさせられました。画学生だけでなく、文学・政治・経済・自然科学・工学・医学などあらゆる分野の優れた若者が戦争によって命を奪われています。日本の大きな損失です。
「もっと絵を描き続けたい」と手紙に記した学生、芸術作品そのものの絵はがきを描いた学生…展示された資料から学生たちの熱い思いと無念さが伝わってきます。2008年には新たに「傷ついた画布のドーム」と名付けられた第二展示館が開館しました。
無言館では6月2日に、戦没画学生を追悼する「無言忌」が行われました。全国から遺族など50人が出席したとのことです。私たちは当初この日に無言館を訪ねる予定でしたが、団体入場お断りということで前日に変更しました。
信濃デッサン館
孤高の道を歩んだ夭折の画家たちの作品を展示した美術館です。中でも22歳で没した村山槐多や20歳の関根正二などは作品そのものが少ないことから貴重な展示になっています。
立原道造の詩も展示されていました。
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