「維新の洋画家 川村清雄」展:静岡県立美術館
川村清雄(1852-1934)は幕末の江戸で旗本の子として生まれました。明治初年にアメリカとヴェネツィアに留学して西洋美術を学びました。帰国した日本はフランス美術の強い影響を受けており、清雄の絵画は時流からはずれていました。
その後、勝海舟や徳川家達などの庇護を受けて、油絵の描き方に日本画の技法を取り入れた独自の画法で歴代将軍や明治の偉人の肖像画、風景画などヨーロッパでも高い評価を受けた多くの作品を制作しました。日本の近代絵画史上で重要な役割を果たした清雄の全画業を展望する大規模な展覧会です。
221点という多数の出品のうち、清雄の絵画は約100点。その中にはオルセー美術館から里帰りした晩年の傑作《建国》や《徳川家達》《勝海舟》《天璋院(篤姫)》などもあります。
出品リストのうちの100点以上は幕末維新の歴史資料です。維新と同時に家達らと共に静岡に移り住み、静岡に縁のある清雄の人生を多くの資料から解明しようとしています。
静岡県立美術館所蔵の絵画は4点だけで、出品作の多くは東京都江戸博物館や徳川記念財団及び個人蔵です。
歴史資料の大半は祖父が初代奉行を務めた新潟の市歴史博物館阿からの出品です。
清雄は1934年没。昭和9年のことです。幕末から昭和の時代までを生きた清雄が今注目されています。
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