「ごんぎつねの世界展」:新美南吉生誕100年。
充実した内容の企画展でした。1913年愛知県半田市に生まれた新美南吉は今年が生誕100年にあたります。「ごんぎつね」や「手袋を買いに」などの童話で私たちの記憶にいつまでも残っている南吉のおいたちから死後現在に至るまでを数多くの資料でていねいに見せてくれます。
成績優秀だった少年期、病に冒されて苦しんだ青年期…そして29歳で夭折しました。
小学生時代の書き初めや綴り方帳から始まって、中学生時代に書いた最初期の童話、「手ぶくろを買ひに」の原稿、作品の掲載された多くの雑誌、生徒に贈った本や色紙、いくつかの手紙やはがきなど、半田市にある新美南吉記念館の所蔵品を中心として彼の全体像が把握できる豊富な資料を興味深く見ることができました。
それらの中に、安城高女教諭時代に修学旅行で出かけた時、仲間の教諭と一緒に書いた画帖が3点ありました。絵心も豊かで楽しい作品です。幸せな時代だったのでしょう。
今回の企画展では「絵本原画でたどる南吉童話の世界」がもう一つの見所です。
棟方志功や池田あさこ、石倉欣二、黒井健、かすや昌宏など12人の画家による約100点の作品が南吉の世界を十分に見せてくれます。
春休みの日曜日ということもあって、親子連れの姿が多く見られました。親の世代にとっては小学校4年生の時に国語で習った懐かしい教材です。「ごんぎつね」のせりふは今でも覚えている人が多いでしょう。南吉の世界は親から子へと受け継がれていきます。
静岡市美術館で3月31日まで。
2011年10月1日、南吉の生まれ故郷半田市を訪ねました。そのときの画像です。この時の記録はブログで10月3日にアップしています。
« 2013 早くも桜花爛漫の浜松フラワーパーク | トップページ | 2013 サクラ便り① 浜松でサクラが開花 »
「美術展」カテゴリの記事
- 浜松市美術館 館蔵品展(2020.12.18)
- 「国芳から芳年へ」:浜松市美術館(2020.10.23)
- ~革新する工芸~手の愉悦展(2020.10.15)
- 「花と緑の日本画展」:秋野不矩美術館(2020.07.22)
- 「仲山計介展」:浜松市美術館(2020.05.24)
コメント