N響 浜松公演は新鮮な響き
数年ぶりでN響を聴きました。東海北陸4都市の地方公演初日。会場のアクトシティ大ホールは4階まで満席でした。
プログラム
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 作品73
ピアノはオーストリア出身のインゴルフ・ヴンダーです。2010年のショパンコンクールで第2位。2011年から毎年来日しています。今年27歳の新鋭ですが、ショパンの名曲を堂々とみごとに弾きました。今後の活躍がますます楽しみな若手です。
アンコールとしては長目の夜想曲もすばらしい演奏でした。
ブラームスの第2番も協奏曲の名曲中の名曲です。第1楽章のホルンとクラリネットの掛け合い、第2楽章のチェロによる主題、第4楽章のヴァイオリンやヴィオラの二重奏などいろいろ聴き所があります。ベートーヴェンの後継者と言われるブラームスはベートーヴェンの音楽を強く意識していたと言われます。
この曲はブラームスの「田園交響曲」とも言われますが、それはベートーヴェンの「運命」に対する「田園交響曲」に対して,ブラームスの「第一番」に対する位置づけとともに、田園情緒を描いたとされる曲想によるものでしょう。終末は歓喜に満ちた力強い演奏で終わります。アンコールは一転して、弦楽器だけで静かに演奏されるバッハの「G線上のアリア」で、その対照ががみごとでした。
指揮は下野竜也。43歳です。2001年、ブザンソン国際指揮者コンクール」で優勝。その後国内外で活躍しています。小柄な体を大きく使ってピアノとオーケストラからみごとな音を引き出していました。今後活躍が期待される指揮者の一人です。
久しぶりにN響の新鮮な演奏を聴くことができて幸せな一夜でした。
満席の客席を見渡すと高齢者が多いのに驚きます。若い頃からN響を聴いてきたクラシックファンでしょう。若い人たちはどこへ行ったのでしょうか。それでも演劇の会場に比べると若干若いのかもしれません。
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