エコ・ミュージアムとは
静岡文化芸大秋の公開講座は「文化とデザインの時代Ⅳ ミュージアムの時代」で今日はその2回目でした。前回は京都行きのため欠席。
今日のテーマは「博物館からエコ・ミュージアムへ -産業遺産からの接近」でした。
講師の四方田雅史先生は社会経済史、産業考古学がご専門です。博物館の専門家ではないということを説明された後で講義が始まりました。
エコ・ミュージアムとは…「ある地域の人々の生活と自然、文化、社会環境などの遺産を現地で保存、育成、展示することによってその地域社会の発展に寄与することを目的とする野外博物館」…のことです。日本では兵庫県の生野銀山、豊田市足助、山形県朝日町などにその例があります。
地方自治体がまち全体が博物館という発想で、観光振興やまちづくりの施策の一つとして取り組んでいます。
museum=博物館または美術館は、建物と収集品と専門家(学芸員)の3つを基本的な要素としています。
それに対してエコ・ミュ-ジアムは建物の中だけでなく野外にも広がる「箱のない博物館」です。
「箱のない博物館」でもたとえば犬山の明治村などのように伝統的な建造物を1カ所に移築しているような場合は、「野外博物館」ということになります。横浜の三渓園や東京の江戸たてもの園などもどの例です。
エコ・ミュージアムの発想は19世紀末のスウェーデンに始まり、1960年代から諸外国や日本でも登場しました。
従来の博物館が世界各地の文化財を現地とは関係なく収集し、地域の人々の生活とは関係なく展示する「死」のイメージがあるのに対し、現場で地域の文化と連動して動態保存するところに意義があるという考え方があります。
今日の講義を拝聴して博物館に対する見方に新しい視点を見つけることができました。
その一例として足助の町を一度訪ねようと思います。
アイアン・ブリッジ峡谷(イギリス)=世界遺産
足助=重要伝統的建造物群保存地区
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