アンドレイ・バラーノフ ヴァイオリン・リサイタル:静岡文化芸大室内楽演奏会2012(追記あり)
アンドレイ・バラーノフはロシア出身で今もっとも注目されている若手ヴァイオリニストです。若干25歳のバラーノフは今年5月、ベルギーで行われたエリザベート王妃国際音楽コンクール ヴァイオリン部門で第一位に輝きました。そのほかにもいくつかの国際コンクールで入賞歴があります。
今回のリサイタルは昨年に続いて東日本震災復興支援コンサートとして開かれたもので、収益は岩手県大船渡市の音楽支援活動に充てられます。
バラーノフ自身、このコンサートには昨年に続く出演です。ピアノはスイス在住で世界各地で活躍している青木美樹です。
プログラム
1 タルティーニ 〈ヴァイオリンソナタ ト短調 「悪魔のトリル」〉
2 チャイコフスキー 〈瞑想曲 (輝かしい土地の思い出 作品42より〉
3 グリーグ 〈ヴァイオリンソナタ 第3番 ハ短調 作品46〉
(休憩)
4 プロコフィエフ 〈ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ長調 作品94bis〉
5 リムスキー=コルサコフ 〈ペゼンカ(小さな歌)〉 ピアノソロ
6 ブルメンフェリード 〈エチュード ト短調 「海」 作品14〉 ピアノソロ
7 グラズノフ 〈グランド・アダージョ(バレエ音楽「ライモンダ」より〉
8 リムスキー・コルサコフ 〈熊蜂の飛行〉
9 ヴィエニャフスキ 〈華麗なるポロネーズ 第1番 ニ長調 作品4〉
世界三大コンクールの1つであるエリザベート王妃国際音楽コンクールで1位に輝いた実力を十分堪能させてくれました。
最初の〈悪魔のトリル〉は特に第3楽章の「重音トリル」が超絶技巧を求められる難曲ですが、みごとに軽々と弾きました。〈熊蜂の飛行〉や〈華麗なるポロネーズ〉の最終章もそうです。
母国ロシアの曲を中心としたプログラム編成で、超絶技巧とともに豊かな民族性を感じさせました。
アンコールはイザイ 〈無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番〉と〈タイスの瞑想曲〉でした。イザイ 〈無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番〉は超絶技巧の連続で息つく間もない感じで緊張の連続です。
そして…最後の〈タイスの瞑想曲〉はポピュラーな名曲で聴衆の皆さんはホッとしたのではないかと思います。
この日使用したヴァイオリンは優勝記念で貸与されたストラディヴァリウスだったということです。今、世界で注目されているヴァイオリニストのリサイタルを学生がマネージメントしてチャリティコンサートとして開催したことに拍手を送りたいと思います。定員603名の大学講堂は満席に近い状況でした。
七夕の日の午後、満場の聴衆が感動したすてきなヴァイオリン・リサイタルでした。


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