第三のイタリア・ボローニャ vs 浜松
静岡文化芸大の公開講座「イタリアの創造力」の最終回は文化政策学部根本敏行学部長による「北イタリアの工業都市 と 第三のイタリア・ボローニャ vs 浜松」と題した講演でした。
大学の授業4駒分という膨大な内容を105分でお話されたのであわただしくてやや消化不良の感じでした。
講演の後半はわが町浜松とボローニャを比較考察された興味深いお話でしたのでその部分を紹介します。
ボローニャは’第三のイタリア’の中心都市です。’第一のイタリア’はミラノ・トリノ・ジェノバを中心とする北部工業地域、’第二のイタリア’は 政府の開発計画で形成された南部の工業地域、そして’第三のイタリア’は中小企業や職人による伝統工芸が発達しており、衣食住を中心に独自の競争力を持っている中部地域です。
その中心都市ボローニャは機織りからオートバイ産業に発展し、自動車部品や機械工業の集積するものづくりの拠点となっています。
浜松も機織りからオートバイ産業に発展したという共通点を持っています。しかし…ボローニャには古くからの職人による伝統工業があり、地場産業や個人事業者が多く職人の間のネットワークが緊密で意志疎通が容易に行われています。フィアットなどの大量生産ではなく、フェラーリ、ランボルギーニ、マセラーティ、ドゥカーティなどの個性的でデザインの優れた高級車が生産されています。
一方、浜松では安くて大量に生産される大衆製品が主体となっています。かつて都心部にあった町工場の職人たちは郊外に散っています。第二次産業中心の産業構造が続き、新たな起業が少なくなっています。
また、ボローニャには世界最古の大学があり、文化消費額(読書・映画・芝居鑑賞など)はイタリアの市の中でトップ。人口は約40万人で浜松の半分ですが、劇場数23,映画館数40、美術・博物館数50,図書館80以などが集積する文化都市であり、世界遺産です。 それに比べて「浜松の文化」の現状はどうでしょうか。
機織りからオートバイ産業に発展したという共通点を持っている2つの町ですが、現状は大きく異なっており、浜松の抱えている課題はなにかということを考えさせられるいい機会でした。
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