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2012年6月22日 (金)

「近代洋画の開拓者 高橋由一」展:東京芸大美術館

 高橋由一(ゆいち)(1828-1894)は江戸末期から明治前半に活躍した’洋画家’です。
 代表作の《鮭》は国指定の重要文化財で教科書でもおなじみの作品です。

 今回の展覧会は彼の作品132点と関連資料などを一挙に公開するもので、本格的な油画を描く以前の墨や水彩などの絵から始まり、人物画・歴史画、
名所風景画、静物画、東北風景画と時代とともにジャンルを変えて制作された作品から、彼が日本で最初の本格的な油画作家として成長し、活躍したことがよくわかります。

 会場で最初に展示されているのは由一のたった1枚の自画像…40歳になる前の《丁髷姿の自画像》です。幕末に油画として制作されたこの絵は由一自身をみごとに表現しており、この展覧会を観る人はこの絵の印象を頭に入れてそれ以後の作品を観ていくことになります。

 写生帖も何点か出品されていますが、実に優れた技量の持ち主であることがよくわかります。

 その頂点にあるのが49歳の時に制作した重文の《鮭》です。手で触ってみたくなるような生々しい肉、鱗、そして骨や皮。写真よりも写実的な描写です。明治初期の油画の到達した最高の傑作です。《鮭》は3点が並べて展示されています。重文の《鮭》と山形市美術館の《鮭》ともう1点は笠間日動美術館が保有する《鮭》です。3点をじっくりと見比べることができます。

 もう1つの重文は《花魁》です。吉原の売れっ子花魁であった小稲をきわめてリアルに描いたものです。簪、衣装などのきわめて精緻な描写はまさにそれぞれの質感をこれ以上ないというほどリアルに描かれています。顔もリアルに描かれており、歌麿などの浮世絵に見られるような美人としては描かれていません。モデルとなった小稲はこの絵を見て泣いて怒ったと伝えられています。
Photo_3  Photo_2

 人物画にも優れた作品が多く見られます。作品のジャンルとして作品の数が多いのは風景画で60点余あります。後半は晩年に東北で制作した風景画です。

 会場である東京芸大の収蔵品が重文の《鮭》《花魁》を含む約30点あり、芸大が総力を結集した展覧会であることが伺えます。

 高橋由一がまさに近代洋画の開拓者であることをしっかりと教えてくれる展覧会でした。

 会期はあと2日、24日までです。その後9月7日から10月21日まで、京都国立近代美術館で展示されます。

《鮭》《花魁》をはじめとする主な出品作品は東京芸大美術館のHPでごらんください。 http://yuichi2012.jp/

さかなクンのコメントやさかなクンの描いた作品も見ることができます。

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                     東京芸大美術館

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