平野昭先生の音楽探訪:《ピアノ・アンサンブルの世界》
平野先生の「音楽探訪」は今年で10年目を迎えました。毎年この時期の楽しみの1つです。
昨年まではショパン、ベートーベン、リストなど毎年一人の作曲家をとりあげて5回シリーズで行われていました。
今年の主題は《ピアノ・アンサンブル》です。その理由について平野先生は、11月に開催される第8回浜松国際ピアノコンクールの第三次予選で、モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番か第2番のいずれかを演奏することが課せられたことによるものであることを冒頭で明らかにされました。 今回の「音楽探訪」はピアノコンクール開催記念関連講座としての位置づけになっています。
3年前の第7回までの第三次予選は1時間のピアノリサイタル形式で行われました。それが今回から四重奏曲1曲と自由なソロリサイタルの組み合わせで70分というスタイルに変更されました。
若手のピアニストにとってソロ演奏の機会は多くても、アンサンブルの演奏機会は少ないので、協奏曲を演奏することになるとコンクールでのハードルは高くなるでしょう。応募者の年齢の上限が28歳から30歳に引き上げられたのはこのことと関係がありそうです。アンサンブルの経験のある20代後半の優れたピアニストの応募によってコンクールのレベルがあがることが期待されます。
そのこともあってか、応募者は288人(前回229)、参加者の国と地域は31と1(台湾)(前回は26と1)と増えています。DVDによる事前審査は終わり、出場者は6月16日に発表されます。
10代の若手の進出が目立った浜松のコンクールの内容をいっそう充実させる大きな変更でその成果に期待したいと思います。
さて、講座の第1回では、1 トリオ・ソナタからピアノ・ソナタへ 2 ハイドン、モーツアlルト、ベートーヴェン、シューベルトのピアノ三重奏 3 ベートーヴェンとモーツァルトのピアノ四重奏 という構成でした。
先生によると、モーツァルトの四重奏曲は小編成管楽器アンサンブルと独奏ピアノによる協奏曲という志向であり、ベートーヴェンのそれは徹底的に室内楽的志向であるということです。
講義の後はお楽しみのミニ・コンサート。コンクールの課題曲であるモーツァルト ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K478 が全曲演奏されました。6月4日の第2回には第2番が演奏されます。11月のコンクールが楽しみです。
ピアノコンクール 公式サイト http://www.hipic.jp/
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