映画「ひまわり」:ソフィア・ローレンの名演技
1970年に公開された「ひまわり」のニュープリント版を観ました。40年ぶりに観た「ひまわり」はやはり深い感動を与えてくれる名画でした。
深く愛し合っていたジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)ですが、結婚後12日にしてアントニオはロシア戦線に出兵してしまいます。戦争は終わったものの、アントニオは消息不明になります。
ジョバンナは彼の生存を信じてロシアを訪ね、遂に彼を捜し当てます。しかし…彼は凍死寸前のところを救ってくれたマーシャと結婚し、アントニオと名付けられた子どもが生まれていました。
あれほど深く、熱く愛し合った二人ですが、再び元に戻ることはできませんでした。彼はジョバンナに対して「私は一度死んだのだ」と語ります。一見言い訳をしているように聞こえますが、私にはまさに「第二の人生」ということで素直に納得できました。
戦争によって引き裂かれた悲しい愛の物語は戦争の悲惨さを私たちに強く訴えています。
題名になっているひまわりのシーンは三度登場します。
①タイトルバック ②ジョバンナがロシアを訪れた時 ③エンドロール
見渡す限りの美しいひまわりですが、そのひまわりの下には無数の戦争犠牲者が眠っています。
印象に残るシーン
①ロシアを訪ねたジョアンナが駅でアントニオと再会しますが、彼が再婚して子どももいることを知った彼女が一言も言葉を交わさず列車に飛び乗って車内で激しく嗚咽するソーン。
②アントニオがミラノにいる彼女のアパートを訪ねたシーン。停電で灯したろうそくの灯りの中でキスを交わした二人。そこへ赤ちゃんの泣き声が聞こえてきます。彼女がもう一緒になれないと思ったその時に電気が点きます。
③ラストのミラノ駅での別れのシーン
ヘンリー・マンシーニの音楽が非常に効果的で強く印象に残ります。
ソフィア・ローレンの圧倒的な存在感が際だつ名画です。監督はヴィットリオ・デ・シーカ。
何十年の時間が経過しても高い評価が変わらない名画です。
シネマ イーラで20日まで。
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