演劇「闇に咲く花」:こまつ座
井上ひさしが没して2年が過ぎました。こまつ座は座付作者である井上ひさしの作品だけを上演する劇団です。
「闇に咲く花」は1987年の初演でこれまで何度か再演されています。舞台は太平洋戦争後の1947年。まだ戦後の混乱と生活難が続く東京です。
ドラマはすべて靖国神社に近い愛敬稲荷神社を舞台として展開されます。この神社を立派な神社にしようとする養父に対して、捕虜となっていたグアム島から突然帰国した健太郎は「自分たちを戦場に送り出した神社」を鋭く批判します。「健太郎の「父さん、このあいだ起こったことを忘れちゃだめだ。忘れたふりをしちゃなおいけない。」というせりふが耳に残ります。笑いが絶えない舞台ですが、終わった後、戦争についていろいろ考えさせられます。
幕が上がる前から下りた後まで、舞台の袖で木村直也が奏でるソロギターの音が響いてくるのが効果的です。
浜松アクトシティ 大ホール
« 映画「ひまわり」:ソフィア・ローレンの名演技 | トップページ | 「戦地に逝ったワセダのヒーロー」展:早稲田大学 »
「演劇」カテゴリの記事
- 万葉の森公園の春の花(2020.03.22)
- 寿 初春大歌舞伎(2017.01.07)
- 美輪明宏「黒蜥蜴」:浜松アクトシティ大ホール(2015.05.29)
- 劇団文化座公演「あかきくちびるあせぬまに」(2015.05.22)
- 文学座「女の一生」(2015.01.30)
« 映画「ひまわり」:ソフィア・ローレンの名演技 | トップページ | 「戦地に逝ったワセダのヒーロー」展:早稲田大学 »
コメント