映画「ブリューゲルの絵が動く」
ピーター・ブリューゲル《十字架を担うキリスト》 1564年 ウイーン美術史美術館
この名画を映画化したものです。この絵の中に描かれている人物や情景が画面で再現されています。最初の30分はまったくせりふがなく、音は背景音だけで当時の人々の生活がいきいきと描かれています。 かなり眠気を誘われる30分です。
キリストやマリヤも登場します。キリストがゴルゴダの丘で磔刑に処される場面や、住民たちがスペイン軍の兵士によって虐殺される場面など残酷なシーンがいくつも登場します。当時のフランドル地方の宗教や政治の状況を反映したものでしょう。
映画の画面はブリューゲルの作品を思わせる背景で巧みに構成されています。まさに’動く絵’です。実写とCGを巧みに合成したということです。瞬間の画面を停止させて切り取るとまさに1枚の絵という感じです。建物の窓から見える風景は16世紀フランドルの絵画そのものに見えます。
ブリューゲルが《十字架を担うキリスト》を作成するプロセスがよくわかるとともに、当時のフランドルの状況もよくわかります。今後ブリューゲルの様々な作品を鑑賞する際に参考になります。
映画の公式サイトでは、「ブリューゲルの絵が動く!絵画の中に入り込み旅するような、新しい体験型ムービーの誕生」とPRしています。なるほど!
公式サイト http://www.bruegel-ugokue.com/
浜松シネマ イーラ 3月23日まで
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