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2012年1月21日 (土)

天才詩人画家 村山槐多の全貌:展

 今年最初の美術鑑賞は、会場の岡崎市美術博物館が持てる力を最大限に発揮して企画した村山槐多展です。

 村山槐多…と言ってもなじみのない方が多いかも知れません。
村山槐多=1896~1919。22歳で夭折しています。岡崎生まれ(この事実は展覧会直前の2011年11月に判明したことが中日新聞で報道されました)、京都府立一中在学中から詩や絵画に卓越した技量を発揮。1914年、一中卒業後上京。第1回二科展出品作が横山大観に10円で買い取られ、同じ年第2回日本美術院展で院賞受賞。10代にして注目される存在になりました。1917年にも院賞受賞、院友に推挙されました。1919年、酒びたりの生活を続け、肺結核で血を吐き、みぞれの夜に家を飛び出して草むらで発見されましたが、間もなく22歳の生涯を終えました。

 槐多は大正時代のロマンとデカダンスを自ら身をもって体験し、それを情熱を込めて表現しています。欲望と背徳と理知が一人の人間の中で交錯している複雑な状況を見ることができます。鋭い感受性とあくまでも美しいものを求める美的感覚は自分自身を苦しめることにもなります。高村光太郎は槐多のことを「火だるま槐多」と呼んでいますが、まさに火だるまになって自ら燃え尽きていきました。

 この展覧会には槐多の作品などが250点余出品されています。油彩画のほかに多くの水彩画、デッサン、版画などがあります。また、30数点のはがきや書簡、30編近くの詩もあります。まさに「史上最大級!奇跡の展覧会!」で夭折の天才詩人画家の全貌を知ることのできるすばらしい展覧会です。槐多ゆかりの地で開かれたこの展覧会は岡崎だけのもので他へ巡回しません。

 謎に満ちた新発見の大作、300号の《日曜の遊び》についてはこの美術館の学芸員が槐多の作であるという研究成果を明らかにしているようです。

 幻の代表作と言われる《無題》(1916年)は90年ぶりの公開となる自画像です。

 よく知られた《尿(いばり)する禅僧》は赤い裸身の僧が全身から赤い光を発しながら托鉢に勢いよく尿をしている絵です。一瞬異様な感じがします。強い性欲を象徴しているという見方もあるとか。

 彼は破滅的な短い人生を送りましたが、自身でそのことを十分自覚していたことが遺書(第一の遺書)でわかります。

 『自分は、自分の心と、肉体との傾向が、著しくデカダンスの色を帯びて居る事を 十五、六歳から気付いて居ました。私は落ちていく事がその命でありました。是は恐ろしい血統の宿命です。肺病は最後の段階です。(中略)
私は地獄へ陥ちるでせう。最低の地獄にまで。さらば』

 1枚1枚の作品から槐多が発している強烈なメッセージが胸に迫ってきます。枚数が多いこともあって疲れました。

 会期は1月29日まで。あと7日です。ぜひごらんください。

 なお、図録は完売で現在増刷中とのことです。人気のほどがわかります。

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岡崎市美術博物館の公式ホームページに展覧会の紹介があります。
http://www.city.okazaki.aichi.jp/museum/bihaku/top.html

 

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