竹久夢二と静岡ゆかりの美術:静岡市美術館
「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」というネーミングからすると、「夢二の回顧展+夢二にゆかりのある画家たちの展覧会」と思われるのですが、内容はそうではありません。
出品作品の大半は夢二の作品と夢二にかかわる書籍や書簡、絵はがきやカードなどの印刷物で、そのほとんどが静岡市美術館の所蔵品です。この美術館が所蔵する夢二作品は358点。その由来は…現在の清水区蒲原の郷土史家であり夢二ファンである志田喜代江さんが蒐集したコレクションです。つまり、現在の静岡市民のコレクションということでこの美術館の開館1周年を記念して公開されたものです。夢二の絵ををこよなく愛した志田さんの思いがコレクションによく現れています。
コレクションの始まりは「青い小径」という書籍でした。《木に寄る女》は志田さんが一目惚れした作品とのこと。コレクションの中には大正7年に夢二が克明に記した日記帳も含まれています。
展示された多くの資料から、独特の趣のある夢二の絵の背景にあるものを読みとることができます。
この展覧会のテーマは「静岡市の女性が蒐集した夢二のコレクションの公開」ということです。
もう一つのテーマ「静岡ゆかりの美術」は、静岡生まれの版画家中川雄太郎の作品と、静岡が生んだ作家たち=伊藤勉黄、海野光弘、松岡圭三郎、小西哲郎、河西賢太郎の油彩画や版画と富士を愛し清水三保に移り住んだ和田英作の作品8点です。
夢二とは関係ありません。全部を見終わって初めてわかりました。
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