「秋野不矩 郷倉和子」展 :秋野不矩美術館
二人展の形をとっていますが、メインは郷倉和子です。
日本画家郷倉和子(1914~ )は健在で間もなく97歳。1957年日本美術院賞 1970年文部大臣賞 1984年内閣総理大臣賞 1989年日本芸術院恩賜賞 2002年文化功労者 という輝かしい受賞歴を有する大家です。
今回は郷倉の作品が26点出品されています。女子美術専門学校卒業の時の《草原の秋》
は伝統的な日本画の作風で秋の野の草花を的確、繊細に描写しています。
40代になると鮮やかな色彩とデフォルメによる半具象画を描き、数々の賞を受賞します。
1957年に日本美術院賞・大観賞を受賞した《真昼》が出品されていますが、みごとな作品です。
70歳を過ぎた頃から梅の花を描くことが始まり、今に至るまで梅花シリーズは続いています。
梅を描いた初期の作品…《暮色白梅》も出品されていますが、この作品は1985年の再興代73回院展に出品されたもので、従来の画風と異なり、静かで趣のある力作です。
最新作は96歳を迎えた昨年の《花の精(三)》です。百歳近くになって今もなお制作に励む巨匠の80年近い画業を一望するいい機会です。
1908年生まれの秋野不矩とはほぼ同時代の画家です。秋野の作品はインドを題材とした13点と絵本「きんいろのしか」の原画23点です。
1991年文化功労者、1992年文化勲章に輝いた秋野と文化功労者郷倉の二人展は浜松市制百周年記念展です。会期は11月13日(日)まで。
郷倉の年譜、評伝、主な作品の画像などは郷倉アート資料館の公式サイトをどうぞ。
http://www.gokura-wi.com/index.html
美術館へ登る坂道のほとりでユリと可憐なサクラが咲いていました
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