吉田喜重・岡田茉莉子 講演会
静岡文化芸大 文化・芸術研究センター主催の画期的な講演会が学内の講堂で開かれました。
1時から吉田監督の最新作「鏡の女たち」(2003年公開)の35㎜フィルム上映がありました。129分です。主演はもちろん岡田茉莉子。そのほかにこの春他界した田中好子など。
お二人の講演会は大学の木下千花講師の進行で約1時間半行われました。
吉田監督は「鏡の女たち」について、原爆の記憶を主題とした映画だが原爆の爆発の場面や死傷者のリアルな画像などを一切使わずに原爆の悲惨な事態や非人間性を表現しようとしたと語りました。悲惨な状況を具体的に示す唯一の場面は大きな写真パネル3枚だけです。この写真パネルについて監督はこれがなければ原爆の惨禍を伝えきれない表現上の限界であったと述べました。
20世紀の世界の出来事でわれわれが語る資格のないことが2つある。一つはホロコーストでありもう一つは原爆である。それぞれの被害者は生存していません。残された者に語る資格はないということでしょうか。
今夜の講演会のサブタイトルは「廃墟からの眼差し、語りの力」です。3.11の東日本大震災で廃墟となった東北。吉田監督は廃墟になった日は再生の始まりだと語りました。廃墟となったのは日本の一部であり、日本は必ず再生する…と。
語りの力…映画は大きな力を持っています。吉田監督にはその「語りの力」でこれからも日本再生のメッセージを発信してほしいものです。
岡田茉莉子さんは戦時中に静岡に集団疎開した体験や木下恵介監督(浜松出身)の想い出などを語りました。
講堂には約500人近い人が参加して熱心に講演を聴きました。すばらしいイベントであり、大学でこのような企画が開かれることはありがたいことです。
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