芸術の花開く都市展:静岡県立美術館
静岡県立美術館は開館当初から内外の風景画の収集に努めてきました。開館25周年を記念してこれまでの収蔵品にブリジストン美術館の収蔵品10点を加えて優れた芸術作品を生み出した都市にスポットを当て、都市と芸術作品との関係を探るというユニークな視点の企画展です。
全体は6章で構成されています。
第1章 パリとセーヌ川流域
第2章 フランスの海辺-北と南-
第3章 ローマ・カンパーニャの光景
第4章 ナポリとその近郊の風光
第5章 江戸から東京へ-「変わる風景」「変わらない風景」-
第6章 京都・大阪・奈良-それぞれの都市と芸術-
それぞれ都市や地域を主題として構成されていますが、内容はヴァラエティに富んでいます。制作年代も17世紀前半のクロード・ロランから2005年の小谷元彦まで。17世紀から18世紀の作品は理想郷を描いた作品が多く見られました。19世紀以降の画家ではコロー・モネ・ピサロ・シスレー・セザンヌ・ゴーギャン・ルノワールなど。
日本の画家ではフランスに滞在して制作活動を行った浅井忠や佐伯祐三、長谷川潔、高畠達四郎、ナポリの藤島武二など。
日本を舞台とした作品としては、歌川広重や小林清親の浮世絵に始まり、石井柏亭、曽宮一念、中川一政、小出楢重など。
この美術館の誇る佐伯祐三の《ラ・クロッシュ》やヴラマンクの《小麦畑と赤い屋根の家》
などもあります。
芸術を生み出した舞台を画家たちがどのように表現したのか、それぞれの画家の思想と生活が作品にどのように繁栄されているのか興味のあるところです。
8月19日の静岡新聞夕刊に大原美術館の高階秀爾館長がこの展覧会についての的確な評論を寄せています。
ロダン館の《地獄の門》の前のフロアにダンテの詩文の一節が掲示されています。
館内のレストランで
県内の大学生有志や中学生たちによるアート作品が美術館の中庭にあります。
被災地の石巻の手芸店から提供されたミシン糸や布地などで色とりどりの糸を張って虹を作っています。来館者も糸張りに協力しています。
21日の静岡新聞朝刊に紹介記事があります。
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