演劇「炎の人」:仲代達矢の熱演に脱帽
三好十郎の名作に無名塾が挑んだ舞台です。私の中で「炎の人」と言えばこれまで滝沢修のゴッホでした。そしてナレーションは宇野重吉。劇団民芸の二人の重鎮の舞台がまだ印象に残っています。
生涯を通じて売れた絵は1枚だけだったというゴッホを支えた弟のテオ、友情で結ばれ共同生活をしたもののやがて破綻したゴーギャンとの関係、激情のままに行動するゴッホ、精神錯乱に陥るゴッホ…38歳で亡くなったゴッホを演じたのは77歳の仲代達矢です。
3時間に及ぶ舞台を出ずっぱりで演じた仲代のエネルギーに脱帽です。ゴッホの人間像をみごとに演じていました。滝沢修のゴッホに勝るとも劣らない「炎の人」を観ました。仲代の年齢を考えるとこれが最初で最後かもしれません。
無名塾の若手俳優も懸命に演じていました。三好十郎のリアリズム演劇はやや重い感じで、観客の大半を占める高齢の女性にとってはややわかりにくい舞台だったのではないでしょうか。
浜松演劇鑑賞会第392回例会 浜松アクトシティ大ホール
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