映画「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」
モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」ができあがるまでの製作秘話です。主人公はモーツァルトではなく、台本を書いたイタリアの劇作家で詩人のロレンツォ・ダ・ポンテです。ダ・ポンテは「フィガロの結婚」や「コシ・ファン・トゥッテ」の台本も書いています。ダ・ポンテがいなければこの3部作は存在しなかったでしょう。
放蕩生活を送っていたダ・ポンテはヴェネツィアを追われてウィーンへ。そこでモーツァルトと出会います。ダ・ポンテは主人公ドン・ジョヴァンニと同様数多の女性と関係を持ってきた色男です。オペラにはそのことが反映されており、ドン・ジョヴァンニはある意味ではダ・ポンテの分身のような存在でもあります。
モーツァルトは徹夜をしながら作曲するなど苦労しながら曲を作り上げていきます。
やがて物語が進むに連れてオペラの場面になります。劇中劇のオペラはプロの歌手が登場して歌い、演技をします。歌はなかなか聴き応えがあります。ダ・ポンテの愛の物語とオペラの場面が交錯しているのしっかり見ていないとややわかりにくいところもあります。
モーツァルトの他に、サリエリやカサノヴァも登場します。
使用されている楽曲は…・・
モーツァルト 「ドン…ジョヴァンニ」から
序曲
導入 「夜も昼もなく働き通し」
カタログの歌、など
「フィガロの結婚」から
「恋とはどんなものかしら」 など
ヴィヴァルディ 「四季」より ヴァイオリン協奏曲「夏」
バッハ トッカータとフーガ ニ短調
ドラマの進行だけでなく音楽も楽しむことができます。
撮影は三度のアカデミー賞に輝くストラーロです。冒頭のゴンドラが運河を行くシーンの意表をつくカメラワークに始まって、「光と影」のコントラストに特徴のある美しいカメラがこの映画の見所の一つです。先日見た「カラヴァッジョ」も彼の撮影によるものでした。
名作オペラの製作秘話、ダ・ポンテとモーツァルトの関係、音楽の楽しみ、美しい画面といろいろ楽しむことができる映画でした。
浜松 シネマイーラで 9月10日まで
映画の公式HP http://www.don-giovanni.jp/
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