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2010年7月27日 (火)

映画「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」

 カラヴァッジョは16世紀イタリアを代表する画家です。ルネサンスに続くバロック絵画の先駆者で、レンブラント、ルーベンスなど多くの画家に大きな影響を与えました。
 1571年にミラノの近郊に生まれ、1610年7月18日に38歳で没しています。ちょうど没後400年にあたり、ローマでは没後400周年記念展が行われ(2/18-6/13)大盛況だったと伝えられています。

 彼は短い生涯に約100点を制作し、現存作品は約50点。今回の記念展ではそのうちの約半数の23点(イタリア国内15/国外8)が展示されました。
 1月16日から東京都美術館で行われたボルゲーゼ美術館展では《洗礼者ヨハネ》が展示されており、大変な人気でした。記念すべき年に日本で1点でも展示されるのは大いに意味のあることでした。

 さて…映画です。「光と影」はカラヴァッジョの描いた作品の大きな特徴であり、彼はどの作品でも光と影のコントラストをみごとに表現しています。それは後のレンブラントなどにつながるものです。そして、「光と影」は絵画だけでなく、彼の人生そのものをも象徴しています。

 類稀な表現力によって人々を感嘆させる傑作を制作していく彼は、窮乏の生活の中でデル・モンテ枢機卿に救いの手をさしのべられ、聖堂の絵画を制作するなど、栄光の階段を上り詰めて行きます。

 しかし、気性の激しいカラヴァッジョはことあるごとに周囲の人と衝突し、傷害事件を繰り返すなど、私生活は破綻していきます。

 彼が幼い頃から恋いこがれ、画家として歩み始めた彼を最後まで支援してくれたコロンナ公爵夫人の言葉が映画の最後の画面に出てきます。「あなたはあなたの絵と同じ。光の部分は限りなく美しく、影の部分は罪深い。」この言葉が全てを象徴しているように思えます。

 カラヴァッジョが制作にあたっていかに光を重視したかを物語るシーンが何度も登場します。

 カラヴァッジョがもう一つ重視したのがモデルを使って「人間」を描くことに徹したことです。聖人や聖母でも人間であるとして、娼婦をモデルにして聖母を描くなど当時の教会や画壇に受け入れられない手法にこだわります。

 女性が公衆の面前で首を切り落とされるシーンや、哲学者ジョルダーノ・ブルーノが異端審判の結果火あぶりの刑に処せられて焼けこげていく残酷なシーンをカラヴァッジョは目をそらすことなく見つめています。人間をあるがままに描くのが彼の絵画です。

 監督はアンジェロ・ロンゴーニ。2007年イタリア。3時間のテレビドラマとして制作され、劇場用に編集されています。133分です。完全版DVDは11月3日発売予定。3時間・4935円です。

 特筆すべきは撮影監督ヴィットリオ・ストラードのカメラワークです。まさにカラヴァッジョの絵画を思わせるような光と影の描写が際だっています。室内や夜景などは特に美しい画面です。
 ルイス・バカロフの音楽も画面をよく引き立てています。

 カラヴァッジョの絵の好きな方には見逃せない映画です。彼の破滅型の人生に共感できない部分があるのも事実ですが、彼の絵がどのような生活の中で、どのような手法で描かれたのかを理解することができるのではないでしょうか。

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映画のチラシ                   浜松 シネマ イーラで。8月6日まで

映画 公式サイトhttp://caravaggio.eiga.com/

カラヴァッジョの作品から

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  果物かごを持つ少年                  洗礼者ヨハネ

 

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