初優勝でスペインは一つになれたのか
FIFA2010ワールドカップはスペインの初優勝で終わりました。世界ランク2位のスペインですがこれまで優勝したことがなかったのですね。
この1ヶ月眠い目をこすりながら毎晩のように見続けたテレビ中継もこれで見納めです。参院選の開票速報で大勢が決するのを見届けてから仮眠。3時過ぎに起きてスペインが純金の優勝トロフィーを手にするまで見ました。前半が終わったところで夜が明けてきました。
スペインのパスサッカーが次第にオランダを追いつめたことは、オランダに9枚のイエローカードが出たことでもわかります。
スペインの優勝が決まった時、バルセロナの町中ではいつになく多くの国旗が見られたという報道がありました。カタルーニャ地方の中心都市バルセロナでは通常はスペイン国旗ではなくカタルーニャ旗を掲げます。今朝も優勝の決まった後、バルセロナ所属のシャビとプシェルの2人は国旗ではなく、カタルーニャ旗を掲げていました。
首都マドリードではバルセロナ所属の選手が中心のスペインの優勝を喜ばない人もいるとか・・。
試合前の国歌演奏の際、各国選手は歌ったり、歌詞を口ずさんだりしています。ところが・・スペインの選手は歌いません。国歌に歌詞がないからです。口が動いているのはハミングです。国歌は「国王行進曲」です。かつては歌詞があったのですが、歴史の流れの中で歌詞は廃止され、新しい歌詞を作る動きはバルセロナ、マドリード、バスクなどの地方の対立によって実現していません。
前回優勝のイタリアは「サッカーで優勝することによってしか一つになれない」と言われています。1861年イタリア王国の成立で”統一”ができたかに見えるイタリアですが、それから150年過ぎた今でも「イタリア人」としての意識は弱いとされています。予選リーグ最下位で敗退したイタリアは4年ぶりで「一つのイタリア」になる機会を失いました。
スペインは念願の初優勝をしました。しかし・・「一つのスペイン」が実現する見込みは当分なさそうです。
それぞれの国の歴史の持つ重みは現実を容易に変えることを許しません。
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