演劇「佐賀のがばいばあちゃん」:劇団NLT
島田洋七原作の自伝的小説の舞台化です。
時は1969(昭和44)年、二十歳の昭宏が久しぶりに佐賀の祖母を訪ねるところから始まります。昭宏はこの家で小学校2年から中学校卒業までの8年間を過ごしました。舞台では10年前の少年時代が交錯しながら昭宏の成長していく姿が描かれます。
昭宏の野球に対する強い思いが随所に出てきます。野球の得意だった原作者は佐賀の中学校を卒業して生まれ故郷である広島の野球強豪校私立広陵高校に進学しましたが、野球部には入らず間もなく中退したようです。
全編を通じてがばいばあちゃんの‘名言’が感動を呼びます。
・「貧乏には暗い貧乏と明るい貧乏がある。うちは明るい貧乏だからよか。」
・「辛い話もな、昼にすればなんてことなかと。世の中な、1万ぐらい仕事はある。」
・(昭宏が家出を中止しようとした時に)「それはアカン。男が一度言ったら実行せな。思い立ったら吉日ばい。」
・「結婚いうのは、二人で一つのトランクを引っ張って行くようなもんばい。そのトランクに幸せがいっぱい入ってるの。絶対二人で最後まで運ばんといかんよ。一人が手を離したら重くて
運びびきらん。」
・・と佐賀弁で語ります。
ばあちゃんをはじめ貧しい暮らしの中で明るく強く生きた人々の姿が今を生きる私たちに励ましと勇気を与えてくれます。
劇団NLTは喜劇を得意としています。この劇も全体としては喜劇に近い創作劇です。
がばいばあちゃんを演じたのはNLTのベテラン女優阿知波悟美、昭宏は若手の弓沢公望です。
1月29日マチネー 浜松アクトシティ大ホール(1階席はほぼ満席でした)
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