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2009年10月 9日 (金)

「皇室の名宝-日本美の華」展:東京国立博物館

 なかなか見応えのある展覧会でした。北海道旅行が中止になって浜松へ帰る前の時間を使って観覧しました。入館したのが4時過ぎ、閉館が5時で1時間足らずの駆け足では十分見ることができませんでした。普通に見て少なくとも1時間半以上かかります。

 この展覧会は天皇即位20年を記念して、御物や正倉院、三の丸尚蔵館など宮内庁が所蔵する作品を展覧しています。1期と2期に分かれていて展示作品は全て入れ替えられます。

 1期(10/6~11/3)の「永徳、若冲から大観、松園まで」は第1章が「近世絵画の名品」で、狩野永徳・伊藤若冲・円山応挙・谷文晃・酒井抱一・葛飾北斎などの名画18点が出品されています。

 なんと言っても圧巻は伊藤若冲の《動植綵絵》全30幅です。若冲の最高傑作と言われるこのシリーズは本来仏画として相国寺に寄進されたものです。その全てが1室を独占してほぼ製作年代順に展示されています。全て展示されるのは1926年以来83年ぶりのことだそうです。
 若冲の絵は花、鳥、蝶、虫など何を描いても極めて精密に描写しておりその技術はまさに驚嘆すべきものです。さらに彩色は精緻を極め、ヒマワリを描いても一輪一輪の花がそれそぞれ細部は異なる表情を見せており同じものは一つもありません。朝顔も南天も鶏の羽根もすべてそうです。さらに裏彩色という技術やぼかしを駆使して微妙な色合いを巧みに表現しています。動物も植物もすべて生命を持つことが表現されています。それらの絵を近くで詳細に見ることができるまたとないチャンスです。
 《旭日鳳凰図》は《動植綵絵》に先だって制作された若冲の作品です。鳳凰の羽根の描写が実にみごとです。

 《唐獅子図屏風》は珍しい展示です。狩野永徳が描いた右隻の唐獅子はよく知られています。荒々しく力に満ちた唐獅子です。一方左隻は永徳の曾孫の狩野常信が補作したもので穏やかな表現です。桃山狩野派と江戸狩野派の様式の違いがわかります。

 酒井抱一の《花鳥12ヶ月図》もすばらしい名作です。12枚が1月から順に展示されています。

 葛飾北斎の《西瓜図》は80歳の時の作品。精密に描かれた静物画です。

2章は「近代の宮殿装飾と帝室技芸員」。
 明治時代に美術工芸作家の保護と制作の奨励を目的に設置された帝室技芸員の作品と明治宮殿をはじめとする宮殿の装飾に用いられた作品の展示です。

 絵画では横山大観の大作《朝陽霊峰》や鏑木清方の《讃春》、上村松園の《雪月花》などの名品。高村光雲などの彫刻。工芸では七宝・蒔絵・螺鈿などのほか陶磁器など初めて目にする名品の数々はまさに感嘆の連続。思わずため息がでてきます。
 絵画と合わせて80点の展示です。

 この展覧会を通じて皇室の私有物で侍従職が管理する「御物」と宮内庁が管理する所蔵品が質量ともに優れていることや2章で見られる工芸品や絵画を見ると明治以後の皇室の‘贅沢な’生活がよくわかります。

 出品されている作品の大半は文化財として極めて評価の高いものですが、御物や宮内庁管理の作品は国宝などの対象とはなりません。従って《動植綵絵》や《唐獅子図屏風》
などの超一級品も含めて今回の出品作品には国宝・重要文化財は1点もありません。

 私が入館したのは4時過ぎでしたから入場を待つ人の列はありませんでしたが、日中は朝の開館時から列ができてかなり混雑しているとのことです。《動植綵絵》だけでも30分はかけたいので時間に余裕をもってでかけることをおすすめします。

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東京国立博物館平成館                夕日の中の本館と東洋館(右)

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1期と2期で見開き4㌻のチラシ

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図録は1期2期別冊で各2000円。画像は1期の図録
左:表表紙 《唐獅子図屏風》
右:裏表紙 《動植綵絵》のうち《群鶏図》

東京国立博物館のHPhttp://app.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/post?blog_id=607925

 ここから作品一覧や展覧会のHPなどに行くことができます。主な作品の画像も見ることができますのでどうぞ。

宮内庁のHPでも主な作品の画像を見ることができます。http://www.kunaicho.go.jp/20years/touhaku/touhaku.html



  

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