「トリック・アートの世界」展・・またまた‘だまし絵’
名古屋市美術館の「視覚の魔術 だまし絵」展をこのブログで紹介したのは6月5日のことでした。
今回は豊橋美術博物館で始まった「トリック・アートの世界」展です。名古屋の「だまし絵」は16世紀から現代に至る幅広い作品の展示でしたが、豊橋では1960年代以降の新しい「だまし絵」の展示です。大半は高松市美術館所蔵の日本の画家の作品です。
全体は4部に分かれています。
Ⅰ 虚と実をめぐって
〈影〉を描く高松次郎のシリーズがメインです。影だけを描いて実体のない不思議な絵です。他に小本章や堀内正和の作品など。
Ⅱ オプ・アートとライト・アート
河口龍夫《無限空間におけるオブジェとイメージの相互関係又は8色の球体》は箱の中 に8個の球があるのですが、見る角度によって色が違って見えたり球が無限に増えていくように見えます。そのほか伊藤隆康《負の楕円》など。
Ⅲ スーパーリアリズム
写真よりも実物に近い精緻な表現で驚かせてくれます。
上田薫はな〈なま玉子シリーズ〉で知られている画家ですが、《なま玉子J》《スプーンのゼリーB》などの作品が出品されています。〈なま玉子〉は割った玉子の黄身が殻から落ちてくるところを高速度カメラで撮影し、それを極めて精緻に描いたものです。
鴫剛の《団地T&T》は団地の建物の写真を撮り=A、それをもとに絵をかいて、その絵を写真に撮ります=B。そのAとBを左右に並べてあります。見ているとなにが本当の風景なのかわからなくなってきます。
ほかに、中川直人、三尾公三ら。
Ⅳ 古典絵画をめぐって
古典絵画のパロディです。名古屋市美術館にも登場した福田美蘭の《陶器》はスルバランの絵のパロディです。さらに福田の《侍女ドーニャ・マリア・アウグスティーナから見た王女マルガリータ・・》は、ベラスケスの名画《ラス・メニーナス》のパロディで、ベラスケスの絵の中の人物の視線でその絵の情景を描いた不思議な作品です。ダ・ヴィンチの《聖アンナと聖母子》やボッティチェリの《春》もパロディ化されています。
最後に登場するのは森村泰昌です。例によって自分の顔を撮った写真がゴッホの《自画像》の中に収まっています。《ポデゴン(鼻つき洋梨》は立体で、森村の鼻の造形が一つ一つの洋梨についている不思議な光景です。
主な作品は美術館の公式HPにアップされているチラシの画像でご覧ください。
http://www.toyohaku.gr.jp/bihaku/
この展覧会は豊橋に始まって東京など全国9カ所を巡回します。
チラシです
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