演劇「春、忍び難きを」
昭和20年から21年にかけて・・敗戦後の信州松本近郊の農村が舞台です。村長であり、大地主である望月多聞とその一家の物語。農地改革で次々と土地を手放すことになります。長男は跡を継がず東京に。次男は戦地から帰還せず。
戦後間もない時期の農村の情景が見事に描かれています。地主と小作人の関係、戦死した次男の嫁を三男と結婚させて跡継ぎにしようとする「直し」。食糧難を逃れて都会から農村に居候している人たち。そして、男と女の関係も。戦前生まれの人にとっては自分の生きてきた道を思い起こさせる内容で各自それぞれの感慨があるものと思います。
斎藤憐のこの作品は紀伊国屋演劇賞と鶴屋南北賞を受賞しています。劇団俳優座の重厚な演技陣が優れた舞台を見せてくれました。村長夫妻を演じたベテランの小笠原良知と川口敦子はさすがです。
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