「視覚の魔術-だまし絵」展
日曜日には入場制限が行われるほど人気のある展覧会です。
16世紀から現代に至る芸術家たちが、遠近法・精密描写・二重像(ダブルイメージ)など様々な技法を駆使して描いた驚嘆すべき作品100点余が展示されています。一つ一つの作品に驚きとおもしろさがあり、時間のたつのも忘れて見入ってしまいます。
幻想美術の祖とされるアルチンボルド(16世紀)の傑作《ウェルトゥムヌス(ルドルフ2世)》
はダブルイメージの絵の代表的な作品です。細部を見ると一つ一つは野菜や果物なのですが、全体を見ると威厳のある皇帝の絵になっています。
「だまし絵の帝王」ヘイスブレヒツ(17世紀)は超精密な描写で実物と見まがうばかりの作品を描きました。絵の中の人物が絵から飛び出して来るように見えたり・・実にみごとです。
日本の画家では幕末の歌川国芳の《見かけはこはゐがとんだいゝひとだ》は男の裸体を集めて男の顔を描いています。「寄せ絵」の手法です。
20世紀ではマグリットやエッシャーなどが心理学や幾何学を駆使して新しいだまし絵を制作しています。
福田美蘭の《壁面5°の拡がり》は新しい手法で描かれた斬新なだまし絵で1997年の作品です。
2日(火)の午後に鑑賞しましたがかなりの入場者で、落ち着いてゆっくり見ることはできませんでした。それぞれの絵を右から左から正面から、あるいは近くから遠くから見るので時間がかかります。
出品された全ての絵になんらかの仕掛けがあるので、わくわくしながら見て回りました。
楽しい展覧会です。
名古屋市美術館 6月7日(日)まで
美術館のHPに主な作品の紹介がありますのでご覧ください。
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/tenrankai/2009/damashie/index.html
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