200年前のピアノによるミニコンサート
イギリスのブロードウッド製ピアノは1802年頃の製作とされています。ベートーヴェンが所有していたピアノと同じ型です。浜松市楽器博物館が所蔵しているこのピアノで小倉喜久子がハイドンの曲を演奏しました。
平野昭先生による「音楽探訪」・・~ハイドン再発見~の第2回はピアノ曲特集でした。
前半は平野先生のお話、後半がミニコンサートでした。
平野先生のお話
1 ハイドンのピアノソナタは50曲以上あるが正確にはわからない。名曲が多いが演奏され ることは少ない。ピアノソナタはモーツァルトよりもおもしろい。
2 最後の5曲以外は楽譜に「チェンバロのための」曲と記されている。ピアノフォルテはまだ高価だった時代。
3 ピアノソナタ 変ホ長調 Hob.XVⅠ-52の楽譜には音の強弱を示すpやfの表記があるがそれまでの曲にはない。チェンバロでは音量の変化がない。
途中から小倉喜久子さんが加わってハイドンのピアノ曲談義が続きました。
休憩の後いよいよ小倉喜久子さんの演奏です。
1曲目 ピアノソナタ 変ホ長調 Hob.XVⅠ-52 1974年ロンドンで作曲と推定
2曲目 幻想曲 or ディヴェルティメント、アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVⅡ-6
どちらも大胆な表現や美しいメロディーもあってすてきな曲でした。
ブロードウッド製ピアノは68鍵で全長227㎝。今のピアノに比べると鍵盤数も少なくかなり小型です。ハイドンはロンドン滞在中、ブロードウッドのピアノを部屋に置いていたということです。小倉さんの最初のタッチで音が出た瞬間から現在のピアノとは違うということがわかります。ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンの時代の音です。
浜松市楽器博物館には19世紀のピアノがいつでも演奏できる状態で保存、展示されています。小倉さんは毎年この楽器博物館のピアノで演奏しており、そのCDは高く評価されています。
200年前のピアノで200年前の曲を200年前の音で聴くことができたミニコンサートでした。
ブロードウッド製ピアノ かなり小さい感じです。
ペダルは両サイドの脚についています。ピアニストは両足を大きく開いて演奏します。
女性の場合、ミニスカートで演奏するのは無理です。
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