魂の抒事詩-「山本丘人展」
山本丘人(1900-1986)は近代日本画を代表する画家の一人で、戦後日本画壇のリーダーとして活躍しました。
東京美術学校で松岡映丘に認められて師事しました。28歳で帝展に入選、30歳の時に映丘の一字を借りて丘人と号しました。1946年に日展審査員になりますが審査基準に疑念を抱いて翌年離脱。1948年に創造美術(現・創画会)を結成しました。秋野不矩も参加したこの組織は日本画の改革に力を尽くしました。1977年文化勲章。
この展覧会は丘人の生誕110年を記念して秋野不矩美術館で開かれています。全体像を三章で紹介しています。
第一章 美術学校時代から40代半ばまで。平明で親近感のある叙情的な作品を制作した時期。
青い海 1932年 伊豆東海岸の海です。平明で明るい絵です。
第二章 信州の山岳や屹立する断崖などを取り上げて抒情性をたたえながらも力強く峻厳な雰囲気のもとに描いた時期。50代から60代半ば。
第三章 剛健な画趣が後退し、やさしく優雅な雰囲気が格調高くよみがえってくる晩年までの時期。 60代後半以降。
この時期の作品は夢幻の境地という趣です。
全37点の作品とアトリエの遺品、書簡などで構成された展覧会で丘人の全体像をとらえています。
共に活動した秋野不矩の作品7点も展示されています。
秋野不矩美術館。初夏の木立の中でいつもと変わらないすてきなたたずまいです
会期は6月7日(日)まで
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