広重の世界・・六十余州名所図会展:東海道二川宿本陣資料館
「東海道五十三次之内」で風景画師としての名声を得た広重が晩年に発表したのが、全国にわたって諸国の名所を一つずつ取り上げて制作した69枚と目次1枚から成る「六十余州名所図会」です。幕末の1853年(嘉永6年)から1856年(安政3年)にかけて発表されています。
東は陸奥の松島や出羽の最上川から西は日向の油津、大隅のさくらしま、さらに佐渡や壱岐・対馬などの島々に至るまで全国各地の名所をすべて竪判(縦長)で表現しています。
広重はこの絵で描いた全国各地を実際に旅して見て歩いたわけではなく、「山水奇観」「日本名山図会」などに依拠して構図を借用したりしています。しかし、完成した作品は大胆な構図や風景画の中に人間の営みを描いた構成など、広重独自の表現が随所に見られます。広重晩年の集大成とも言えるシリーズです。
左:上左=三河(鳳来寺山) 上右=遠江(浜名湖) 下左=駿河(三保の松原)
下右=甲斐
右:尾張(津島天王祭り)
上左=日向(油津) 上右=大隅(桜島) 下左=壱岐 下右=対馬
二川宿
東海道五十三次33番目の宿場です。愛知県の東端で現在は豊橋市です。
大名の宿本陣を中心として現在も旧東海道の風情を残す宿場町です。
JR二川駅の北側は旧東海道の面影を残す町並みでした。一方、南側は動植物公園につながる新開地でまったく趣が異なります。
明日は駅南口の動植物公園の花や動物をアップします。
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