「オペラを楽しむために」
11月に開かれる第5回静岡オペラコンクールに向けての特別公開講座です。今回から静岡文化芸大がコンクールの事務局を担当することになったことから、この講座も大学の主催で行われました。800席の講堂はほぼ満席でした。
第1部は川勝平太学長の講話でした。「西洋音楽と日本」という演題で20分弱の短い時間でしたが、明治初年に日本に洋楽が入って以来、現在のように日本人の暮らしの中に定着するまでの歴史を簡潔に分かりやすく語られました。その中で、能とオペラはいずれも1600年頃に始まったこと、能は仮面楽劇と考えられること、明治13年にできた「君が代」は和洋融合の楽曲であることなど、ご専門の西洋経済史の枠をはるかに超えて文明論の範疇で驚嘆すべき博識の一端を披露されました。
1990年頃から日本でのオペラ公演で字幕スーパーが使われるようになってから、オペラの観客が飛躍的に増えたのだそうです。
第2部は芸術文化学長であるおなじみの平野昭教授による「オペラ入門 Ⅰ:もっと知りたたい、楽しみたい!」の講話です。
1.オペラ・ブッファの頂点を極めた《フィガロ》
オペラの歴史、《セビリャの理髪師》と《フィガロの結婚》の関係について。《セビリャの理髪師》のオペラは1776年のアンドレの曲から1816年のロッシーニの曲に至るまで11作品もあるのだそうです。
2.《セビリャの理髪師》と《フィガロの結婚》の主たる登場人物
フィガロ、伯爵、ロジーナ、バルトロ、スザンナなどの人物について具体的に分かりやすく説明されました。
第3部は「オペラ入門 Ⅱ:オペラを歌う、オペラを聴く」です。
ソプラノ:大倉由紀枝(国立音大教授・二期会会員)
ソプラノ:小川伸子 (二期会会員)
バリトン:折河宏治(藤原歌劇団準団員)
ピアノ :藤川志保(二期会オペラ研修所ピアニスト)
の4人によるコンサートです。モーツァルト《フィガロの結婚》から、〈もしも奥さまが〉〈スザンナ、さあ出ておいで〉など7曲が平野先生の解説つきで披露されました。
さほど広くない講堂に3人の歌声が朗々と響き渡りました。ステージにはデザイン学部の先生のデザインされたシンプルな装置がありました。それだけで狭いステージがオペラのステージになっていました。曲が終わるごとの‘ブラヴォー’の声は川勝学長の発声でした。
オペラの楽しみをいろいろ学ぶことができた楽しい講座でした。11月1日から9日までのコンクールが楽しみです。
浜松の「文化」の発展のためにこの大学が大きな役割を果たしていることを再認識しました。
聴講生の仲間とも10人ぐらい会うことができて久しぶりの再会に話がはずみました。
« 今日のレーチェ 9/14 | トップページ | 敬老祝寿会 »
「音楽」カテゴリの記事
- 至福の時間:「オーケストラ 明日へのアンサンブル」(2020.08.23)
- 音楽講座「ベートーヴェンの虚像と実像」(2020.08.08)
- 懐かしいフォークソング:シニアクラブでのコンサート(2019.04.18)
- かねもティーカルチャーホール:掛川(2019.02.14)
- 浜松4位の今田篤リサイタル(2019.02.12)
コメント